アイ・トールド・ユー・ソー / デルヴォン・ラマー・オルガン・トリオ
ときおりジャズオルガンが聞きたくなる。
音が暖かくて包容力があり、歌心を感じさせる演奏に惹かれるからだ。
ピアノやサックスに比べれば、決してリリースされる作品数は多くないけれど、コンスタントに活躍しているプレイヤーたちがいるのは、嬉しい限り。
その一人が、シアトルで活動しているデルヴォン・ラマー。
音は、ブッカー・Tやジミー・スミスの伝統を受け継ぐもので、野太くてコクがあり、グルーヴ感あふれる演奏が、たいへん心地よい。
トリオといってもベースレスで、あとの二人はドラムのグラント・シュロフ(Grant Schroff)とギターのジミー・ジェームス(Jimmy James)。
基本的には、70年代~80年代のソウル・ジャズを思わせる演奏なのだが、決してヴィンテージな印象ばかりではないのは、この二人の存在が大きいように思う、
ドラムの音にはヒップホップ感というか、サンプリングしたかのような質感があるし、ギターのエッジの立ったリフなども今風だ。
どファンキーな曲もあれば、ワム!の「ケアレス・ウィスパー」のカヴァーなどは、まったりと美しい。
<了>
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