ナイト・トレイン・トゥ・コペンハーゲン / アルヴィン・クイーン
夜汽車よコペンハーゲンへ、とでも訳すのだろうか。
ニューヨーク出身で、現在はスイスを中心に活動するベテラン・ドラマー、アルヴィン・クイーンのトリオ作品だ。
晩年のオスカー・ピーターソン・トリオ(&カルテット)にも参加した彼が、ピーターソンへのオマージュを捧げたもので、このアルバムタイトルは、ピーターソンの1963年作『NIGHT TRAIN』から。
このアルバムと1964年の『WE GET REQUESTS』からの選曲が大半となっている。
前作もピーターソン・オマージュだったから続編ということなのかもしれないが、メンバーは、前作がデンマークの若手プレイヤー2人だったのが、今回はスウェーデンのピアニスト、カッレ・ブリックマンとデンマークのベーシスト、トビアス・デール(・ミケルセン)との共演。
二人とも若くでイキがよくエネルギッシュ。
アルヴィンの懐の深いドラミングの上を、軽やかに駆け回る感じ。
ピアノトリオの王道とも言える演奏で、アコースティックな楽器の本来の音の響きが味わえる。
なぜコペンハーゲンなのかというと、ある解説によれば、1950年代後半から、スタン・ゲッツ、デクスター・ゴードン、ベン・ウェブスターら多くのアメリカ人ジャズ・ミュージシャンがコペンハーゲンに移り住み、豊かなジャズ文化を創造してきたことへの敬意からだそうだ。
<了>
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