おとのほそみち

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山下達郎さんが語るボブ・ディラン

山下達郎サンデーソングブック2023年4月23日放送分「変わった声のシンガー」で棚からひとつかみ Part.2』から書き起こしたものです。

 

考えてみますと、一番最初に私が小学校を出て中学入るくらいでですね、一番印象的な声だったのが、ボブ・ディランであります。
みんな私の世代は同じような感じだと思いますが。
ミネソタのボビー・ヴィーになりたかった青年がですね、ニューヨークへ出てきまして、折しも公民権運動の真っ只中であります。
そんな中からフォークミュージックでデビューいたしまして一世を風靡しました。
いわゆる、そうしたアメリカでのメジャーなフィールドじゃなくて、もうちょっとサブ・カルチャーっていうか、フォーク・ムーヴメントとか。
それから、いわゆるアフリカン・アメリカンのブルース、そうしたルーツミュージックに繋がる人たちの歌唱法っていうのは、我々が知っている、そうした洋楽のものとは違うテイストでありまして。
1964年サード・アルバムタイトルになってる「The Times They Are a-Changin’時代は変わる」というあまりに有名な1曲ですけども。
これ東京オリンピックの年ですからね。私、小学6年ですから。
これ、もうちょっと後ですけども聴いたのは。
「なんだろなこの歌い方は」っていう(笑)
そういうような、私に限らず、皆一緒でございます。
今聴くと、もう普通の感じなんですけども。このころは、本当にすごいもんであります。
歌の内容もすごくて。
でもすごくメロディがキャッチ―でですね、非常に印象に残ってます。
ボブ・ディランは何にしようかと思いましたけど、今のご時世「時代は変わる」
若者が「もう時代は変わるんだ」そう言ってる歌ですけども。
こっちが年長者になってしまいましたので、色々考えさせられるものですけども。
それはともかく、ボブ・ディラン、64年の代表的な作品。
THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN' / BOB DYLAN 

 

 

Times They Are A-Changin

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