おとのほそみち Jazz and More

行きかふ歌も又旅人也


山下達郎サンデーソングブック2022年5月15日『棚からひとつかみ』

番組中の曲の解説部分を要約して記しています(青字部分は書き起こし)
貼り付けている音源は、オンエアされたものとは違うことが多々あります。


1. MIGHTY SMILE / 山下達郎 "アルチザン" '91
2. I'M A BOY / THE WHO '66
3. HOPE / QUICKSILVER MESSENGER SERVICE '71
4. A RAY OF HOPE / THE RASCALS '68
5. GET TOGETHER / THE YOUNGBLOODS '67
6. YOU'VE BEEN UNTRUE / THE DELFONICS '67
7. EVERYBODY MAKES A MISTAKE SOMETIMES / ROY ARLINGTON '66
8. 片想い / 山下達郎 "アルチザン" '91


私、ツアーのリハーサルが始まりまして、まだ初っ端でございますが全然調子が出ておりません。
取材に追いまくられた翌日からリハーサル。まだ準備がぜんぜん整っておりません(笑)
だましだまし、譜面書きなどをやりつつですね。
1週間があっという間。もうサンソンか!という感じでございます。

ですので、こういう時は、山下達郎のレコード棚からアトランダムにいろいろお聴きを頂きます「棚からひとつかみ」。
レギュラー・プログラムでお届けしたいと思います。
ちょっとだけリクエストいただきつつですね。

昨年30周年記念バージョンを出しましたアルバム『ARTISAN』
1991年の作品でございますが、当時はアナログ盤がなかったので、アナログが初めての発売ということもありまして、ご好評をいただきました。
アルバム『ARTISAN』からおなじみ「Migthy Smile」
MIGHTY SMILE / 山下達郎


先週と同じで1曲目はUKロック。ワンパターンだがかまわない。
ザ・フーの1966年全英2位の「I'M A BOY」。アメリカではヒットしなかった。
日本ではけっこう流行った。私が中学校2年のとき。
素晴らしい一曲。
I'M A BOY / THE WHO


最近の世界情勢、戦争の不安とかありまして、いろんなところでプロテスト・ソング、反戦歌、そういうようなものがですね、ラジオでかかっております。
けれども、私はあえて、そうしたものではなくて、そうした時代だからこそ希望とかですね、そういうようなものを題材にした歌というのが、特にアメリカの60年代から70年代にかけて、ベトナム戦争の激しいときに、そういう反戦歌じゃなくて「希望を持って進もう」という、そういうアピールの曲がたくさんありました。
今日は、そういう曲をかけてみようかなと、前半は、そういう曲を選びました。
まずは、サンフランシスコを代表するグループ、クイック・シルバー・メッセンジャー・サービス
途中からディノ・バレンティという、アンダーグラウンド界のボブ・ディランと言われる人がリード・ボーカルに入りまして、そうしたメッセージソングをたくさん作っておりました。
彼らの、そうした希望、”世界のおわりだというけどそんなことはない、みんなで希望を持って進んでいくんだ”
そういうような歌であります。
1971年のクイック・シルバー・メッセンジャー・サービスのアルバム「クイック・シルバー」から、その名もずばり「Hope」
HOPE / QUICKSILVER MESSENGER SERVICE


お次は、私のアイドルグループ、ザ・ラスカルズ。
ラスカルズはそうしたメッセージソングをたくさん書いておりますけれども、「人々は自由にならなければいけない」とか「希望を持たなければいけない」とか、そういう歌がたくさんありますが。
1968年のヒット・ソング「A Ray of Hope」
私のアルバム・タイトルに影響を受けた、そのものでございます。
”希望の光がある限り私は私の役目をはたして行きたい”
という、そういうような希望に満ち溢れた1曲。
ラスカルズ、1968年の「A Ray of Hope 希望の光」
A RAY OF HOPE / THE RASCALS


さきほどのクイックシルヴァー・メッセンジャー・サービスのディノ・ヴァレンティの作詞作曲で、この時代のUnityを歌った代表的な一曲。
1967年にジェシ・コリン・ヤングが率いるザ・ヤング・ブラッズがレコーディングした「GET TOGETHER」。
発売時は全米62位だったが、1969年にベストテンに入り、全米5位のミリオンセラーになった。
当時のヴェトナム戦争の緊張感を背景にしながらも「人々よ兄弟に微笑みかけて、みんなで一緒にお互いを愛せるように努力しよう」と高らかに歌ったメッセージ・ソング。
GET TOGETHER / THE YOUNGBLOODS 


前半はメッセージソングだったので、後半は優し目に。R&B。
デルフォニックスはフィラデルフィアが生んだスイート・ソウルの代表的なグループ。
実質的なデビュー・シングル、 Cameoレーベルから1967年にでた「YOU'VE BEEN UNTRUE」。
長いあいだシングル・オンリーもしくはレアなCDでしか聴けなかった。
トム・ベルの作品集のコンピレーションに入って、いい音で聴けるようになった。
いい時代になったが、ラジオではほとんどかからない。
トム・ベルが全面的にやっていて、インタビューで「この時代はストリングスもブラスも入れられなかったので、全部自分一人でやってる」と語っている力作。
YOU'VE BEEN UNTRUE / THE DELFONICS


次はサザン・ソウル。
ロイ・アーリントンはバイオが不明で、スタックスのサブレーベルのSaficeから出した1966年の作品。
2年後にミッティ・コリア(Mitty Collier) がカバーして、それもいいバージョン。
ロイ・アーリントンというほとんど無名の人でもこれほど実力がある。南部の層の厚さを思い知らされる。誰にでも間違いはある、という曲。
EVERYBODY MAKES A MISTAKE SOMETIMES / ROY ARLINGTON


1991年のアルバム『ARTISAN』から「片想い」。歌詞に5月が出てくるのでリクエストが山のように来ている。
この曲は今までライヴで披露したことはない。
片想い / 山下達郎

<了>