ヒューマン / シャイ・マエストロ
イスラエルを代表するジャズピアニスト、シャイ・マエストロ。
ヨーロッパの名門ECMレーベルから、これが2作目のアルバムになる。
これまでリリースした4枚のリーダー・アルバム全てに参加しているベースのホルヘ・ローダー、同郷イスラエルの若手ドラマー、オフリ・ネヘミヤ。
さらに同世代のアメリカ人トランぺッター、フィリップ・ディザックを加えたカルテット編成での作品。
かつては超絶技巧のテクニックを全開にした、変幻自在、疾走感あふれる演奏が持ち味だった。
しかし今回のアルバムでは、ダイナミックではありながらも音数は少なめで、アンサンブルを重視した演奏を聞かせている。
特にフィリップ・ディザックのフレーズに寄り添うようなプレイは、穏やかで包容力がある。
それは重ねてきたキャリアのせいなのか。
ECMの美意識を受け継ぐがゆえなのか。
おそらくはその両方なのだろう。
シャイ・マエストロは、まだ30歳代の前半という若さ。
これからのECMを牽引する存在であることは、間違いない。
<了>
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