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【JAZZ新譜】現代ジャズシーンを代表するサックスプレイヤーのECMらしい作品 Return from the Stars / Mark Turner(2022)

リターン・フロム・ザ・スターズ / マーク・ターナー

 

いやもう、いかにもECMなジャケットデザインにまず惹かれる、という人は私だけではないだろう。

現代ジャズシーンを代表するサックスプレイヤー、マーク・ターナー。

カルテット第一作『Lathe Of Heaven』から8年ぶりのカルテット作品と聞き、そんなになるっけ、とちょっと驚く。

前作からベース以外のメンバーが代わったそうだが、サウンドデザインが変化した印象はない。

凛とした空気感、緊張感はECMならでは。

その中を、マーク・ターナーのサックスが、伸びのある音で雄弁に物語る。

トランぺッター、ジェイソン・パルマーとの掛け合いは、丁々発止という印象ではないが、互いの技の練度が高いだけに聴きごたえがある。

リズム隊も弾きまくる感じではないけれど、繊細でスリリング。

底を支えているという感じではなく、自由に動き回りながらアンサンブルの層を厚くしている感じだ。

オーディオ的な音の分離やエコー感などもよく、いろんな意味で完成度の高いアルバム。

 

Mark Turner(ts)
Jason Palmer(tp)
Joe Martin(double-b)
Jonathan Pinson(ds)

 

1.Return From The Stars
2.Terminus
3.Bridgetown
4.It’s Not Alright With Me
5.Nigeria II
6.Waste Land
7.Unacceptable
8.Lincoln Heights

<了>

 

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