2080 / ボブ・ジェームス、サム・フランツ
2080って、描こうとしている未来世界のことだと思ってたら、それもあり、さらに二人の年齢をかけ合わせた数字らしい。
二人とは、スムース・ジャズの巨匠ボブ・ジェームスと、20代のDJ/エレクトロニックアーティストであるサム・フランツ。
どんな仕上がりになるのか、見当がつくようでつかないが、冒頭は、かなり強烈なポスト・インダストリアル調の音が鳴り響き、びっくりする。
全体を通して、イマドキのエレクトロニカに寄ったサウンドデザインで、ところどころボブ・ジェームスらしい、ジェントルなメロディラインが顔を出すものの、数は少なめ。
二人は「まるで映画のサントラを創るように制作した」と語っているそうで、たしかに曲構成にスケール感があり、物語性も感じられるが、これまでのボブ・ジェームスのイメージを期待していると、聞くのはなかなかしんどい。
80歳を過ぎての野心的な試みには拍手を送るが、これを彼の代表作と捉えることは、私にはできない。
1.Starless Vault of Heaven
2.See Ya (Broken Break)
3.Atsuko's Arcade
4.This Theme Needs a Movie
5.Polar Tangents (Nothing but Shining)
6.(Intermezzo) Letter B
7.Brew This Again and Again
8.A Final Apology
<了>
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