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【JAZZ新譜】現代ジャズ・ヴォーカリストの最高峰、圧巻の6作目 Ghost Song / Cecile Mclorin Salvant (2021)

ゴースト・ソング / セシル・マクロリン・サルヴァント

GHOST SONG

GHOST SONG

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グラミー賞ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム部門で3度の受賞を誇る、セシル・マクロリン・サルヴァント。

現代ジャズ・ヴォーカリストの最高峰といっていいだろう。

卓越したヴォーカルテクニックに裏付けられた豊かな感情表現において、これほどの歌い手はジャズ以外の分野にも、そうそういない。

 

彼女が育ったのはマイアミだそうだが、父親はハイチ出身の医者で、母親はフランス出身の教師。

多様な生活文化の中で育ったことが伺い知れる。

8歳から地元の聖歌隊で歌い始め、このころから本格的なヴォーカルレッスンをスタート。

サラ・ヴォーンの影響を受けて、ジャズ・ヴォーカルの道を歩み始める。

 

2010年に若干21歳でセロニアス・モンク・コンペティションで優勝、一躍脚光を浴び、2015年のサード・アルバム『For One to Love』でグラミー受賞と、着実にキャリアを重ねつつある。

今回リリースした『GHOST SONGS』は6枚目のアルバムで、タイトルが示す通り亡霊、ノスタルジア、憧れをテーマとしており、7曲のオリジナルと5曲のカヴァー曲からなる。

アカペラのオープニングに続き、ケイト・ブッシュ「Wurhtering Hights」のメロディが聞こえた瞬間、鳥肌が立ち、一気に持っていかれてしまう。

あとは、ただセシル・マクロリン・サルヴァントの歌世界に酔いしれるのみ。

この表現力にして、まだ30歳代の半ば。

当分のあいだ、ジャズ・ヴォーカルの最高峰の座は揺らぎそうにない。

 


<了>

 

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