オントレ・ウー・ドゥ / メロディ・ガルドー、フィリップ・パウエル
アメリカ出身、現在はパリで活躍中のヴォーカリスト、メロディ・ガルドー。
ノラ・ジョーンズ、マデリン・ペルーと並び、21世紀の米国女性シンガー三傑の一人と言われ、2020年の『サンセット・イン・ザ・ブルー』は、スティングとの共演が話題になった。
ブラジル出身で、こちらもパリを拠点にしているピアニストのフィリップ・パウエル。
ちなみに彼の父親は、かの巨匠バーデン・パウエルである。
この二人のデュオアルバム。
メロディのバンドで共演してきているが、デュオはこれが初めて。
「Entre eux deux」は「二人のあいだで」という意味だ。
メロディの歌声は艶めかしく、陰影深く、情感たっぷり。
流石に当代屈指のジャズヴォーカリストだと感嘆せざるを得ない。
フィリップの音数は少なく、かつ弱音だが、それが良い緊張感を産んでいる。
もちろん「デュオ」だからして、歌の伴奏の域からは遠く離れ、才気あふれるフレーズを繰り出す。
この二人、組んで大正解だったと思う。
<了>
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