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【JAZZ新譜】ディープな音響体験ができる音の絵巻 One Theme & Subsequent Improvisation / Sam Wilkes (2021)

ワン・テーマ&サブシクエント・インプロヴィゼーション / サム・ウィルクス

One Theme & Subsequent Improvisation

One Theme & Subsequent Improvisation

  • アーティスト:Sam Wilkes
  • astrollage / Leaving Records
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ロサンゼルス出身のベーシスト、サム・ウィルクスのセカンドアルバム。

タイトルからおおよそ想像はつくだろうけれど、冒頭曲「One Theme」で奏でられるテーマがアルバムを通して変化していくという音の絵巻だ。

彼は、インタビューで"One Theme"とは?という問いに「ハーモニックでメロディックなパッセージを繰り返すこと。」と答えている。

一つのテーマを即興的に変化させていくのは、ジャズの本来的なアプローチであることは言うまでもない。

とはいえ演奏はというと、イマドキ感たっぷりで、さまざまな音のレイヤーを重ねつつ音響のニュアンスで勝負するタイプ。

なかでも印象的なのはドラムの打音で、ときに繊細であり豪快であり、総じてスリリング。

即興が多く、多くの人が聞きやすい作品とは言えないが、そのぶん、なかなかディープな鑑賞体験ができるのは確か。

Drums: Christian Euman
Drums: Greg Paul
Keyboards: Chris Fishman
Keyboards: Jacob Mann
Bass: Sam Wilkes
Drum Programming: Sam Wilkes

<了>

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