番組中の曲解説の主要な部分を書き起こしています。
1. 希望という名の光 / 山下達郎 '10
2. STOP, LOOK, LISTEN (TO YOUR HEART) / THE STYLISTICS '71
3. DON'T PUT ME DOWN / THE FINISHING TOUCH '7?
4. THEY SAY THE GIRL'S CRAZY / THE INVITATIONS '73
5. WHO AM I? / FLASHLIGHT '76
6. I DON'T WANT TO MAKE YOU WAIT / THE DELFONICS '73
7. BIG STONE WALL (AROUND YOUR HEART) / TAPESTRY '73
8. YOU GOT TO KNOW BETTER / TOUCH OF CLASS '77
9. GOOD LUCK / THE ETHICS '74
レコードをちょっと整理して、フィラデルフィアのフィリーソウルものを少しまとめていきましたら、聴いてしまいまして。
気がついたら夜がしらけてるという。
じゃあ、ついでだから、これ「フィリーソウルで棚からひとつかみ」やってみようかと。
ここの数年間、買ったシングルが、整理できてないやつが整理できましたので、そういうようなところから、行ってみたいと思います。
なんの根拠もありません。「フィリーソウルで棚からひとつかみ」
フィリーソウルと言いましても非常に範囲が広いので。もう完全に「棚からひとつかみ」です。
これかけたい!
これ聴きたい!
で朝まで聴いてしまった結果が今日の番組になります。
お楽しみいただければ幸いであります。
東日本大震災から13年が経ちまして、3月11日、明日ですね。
ちょうどあの時にですね、そのために書いた曲じゃなかったんですけど、前の年に出しました「希望という名の光(Ray Of Hope)」という曲があの時にずいぶんオンエアをされました。
それをご記憶の方がたくさんいらっしゃいまして、山のようにリクエストをいただきました。
13年経ちましたが色々とまだ問題が残っておりますし、今年は能登の地震がありまして、昨日あたり千葉のところで弱い地震がと、なんかちまちま弱いが続いております。
不安ですけども防災の心がけもいっそう気を引き締めて、いろいろ準備をして、かつ被災された方々へのご支援をいろいろな形でできればと考えております。
希望という名の光 / 山下達郎
今日は「フィリー・ソウルで棚からひとつかみ」
フィラデルフィアのリバーブの素晴らしさ、ミュージシャンの演奏の素晴らしさ、歌の素晴らしさ。ご堪能いただければ。
まずはおなじみのところでスタイリスティックス。
1971年のデビューアルバムの一番最初に入っております、全米ソウルチャート6位「STOP, LOOK, LISTEN」
STOP, LOOK, LISTEN (TO YOUR HEART) / THE STYLISTICS
フィラデルフィアというところは50年代、そしてその前のジャズの時代から音楽が盛んであります。
ドゥワップもたくさんあります。
映画「ロッキー」をご覧になりますと、ドゥワップが出てきます。
で60年代はカメオ/パークウェイというレーベルがありまして、チャビー・チェッカーとかボビー・ライデル、ディー・ディー・シャープ、オーロンズ、たくさんヒット曲が出まして一世を風靡しました。
そこの流れから、ミュージシャンそれからプロデューサー、作曲家、作詞家、アレンジャー、たくさん人材が出てきまして、それが60年代70年代に、またさらに大きなムーブメントになってきます。
そんな中から生まれたいろいろな音の中でフィリー・グルーヴというレーベルがありまして、スタン・ワトソンという人が作ったところですけど。
この人のプロデュースでたくさん名曲生まれたんですけど、いかんせん販売力が弱くてですね、数年で潰れてしまいました。
その基礎から、フィラデルフィア・インターナショナルのケニー・ギャンブルとレオン・ハフの大きなプロジェクトにつながっていくと。
そういうような時代の中での作品をいくつか今日はお聴きいただきたいと思います。
次はフィニシング・タッチというフィラデルフィアのボーカルグループで、このフィリー・グルーヴレーベルからシングル2枚しか出ていないんですけど、90年代に入りまして未発表の曲がCD化されました。
未発表なので当然アナログはありません。CDからです。
70年代の頭の72、3年の作品だと観測できます。
でもボツになったとは信じられない素晴らしいトラック。
DON'T PUT ME DOWN / THE FINISHING TOUCH
お次はインビテーションズという、ニューヨーク出身のボーカルグループですが。
このプロダクションと言いましょうか、制作されているのが、フィラデルフィアのMFSBと呼ばれるスタジオミュージシャンのグループ。
そしてアレンジがボビー・マーティン。
フィラデルフィアのスタッフによるレコーディングですのでフィリー・ソウルという枠組みになります。
1973年全米ソウルチャート17位「THEY SAY THE GIRL'S CRAZY」。
THEY SAY THE GIRL'S CRAZY / THE INVITATIONS
上手な歌は、ルー・カートン、後にソロ・シンガーとして活躍しますがこの人のリード・ボーカル。
さっきのフィニシング・タッチのリードボーカル、チャールズ・マックという人も上手いんですが、それでも、あんまりたくさんヒットが出なかった。
時の運でございますね。
このインビテーションズのトラックは、ひょっとしたらニューヨークでレコーディングされたものかもしれませんが、まあイーストコースト、ニューヨーク、フィラデルフィアそしてワシントンDC、ここの行き来がものすごく激しいので。
いわゆる演奏スタッフと言いますか、プロデューサーとか、そういうところの基準で「フィリー・ソウルで棚つか」というのでやっております。
お次のフィリーも有名な1曲であります。
やっておりますのはフラッシュライトという、76年に出しましたアルバムに入っておりますが。
もともとはこのグループはクイックエスト・ウェイ・アウトという名前のグループで、それが改名して、これになりましたけれども。
そのクイックエスト・ウェイ・アウト時代に録音したトラックが、そのままこのフラッシュライト名義で入っているという、まあ、よくある話でございますが。
こういう時はアルバムのロングバージョンだと長いので、シングルの短いやつでと思ったんですけども、全然このアルバムのバージョンの方が楽しいのでですね。
5分ちょっとですけど、ちょっと長めですけども、ロングバージョンでお楽しみいただければと思います。1976年Flashlight「Who Am I? 」
WHO AM I? / FLASHLIGHT
先ほどお聴きいただきましたフィニシング・タッチ、それからこのフラッシュライト、この辺のフィラデルフィアのレコーディングはですね、スタン・ワトソンというプロデューサーが手がけております。
フィリー・グルーヴというレーベルのオーナーでもあります。
ギャンブル&ハフなんかと並びまして、フィラデルフィアのローカルで大変活躍した人なんですけど、いかんせ商売があんまりうまくなかったらしくて、長くレーベル続かせることができませんでした。
このフィリー・グルーヴ・レーベルの最も成功した人たちは、デルフォニックス。
「La La Means I Love You」で有名で、私もカバーしておりますけれども。
デルフォニックス、たくさんヒット曲がありますけれども1973年のアルバム『Alive & Kicking』からのシングルカットで
全米ソウルチャート22位。
プロデュースはスタン・ワトソン、アレンジはMFSBのヴィブラホン奏者ヴィンセント・モンタナ。
I DON'T WANT TO MAKE YOU WAIT / THE DELFONICS
先ほど申し上げたスタン・ワトソン。たくさんプロデュースしておりますが、そんな一つ。
タペストリーという、これもボーカル・グループだと思われますが。
1973年の作品で、これもフィリー・ソウルのファンの間では人気の高い1曲。
BIG STONE WALL (AROUND YOUR HEART) / TAPESTRY
お次のグループは出身はニュージャージーですが、フィラデルフィアを拠点活動しておりまして、タッチ・オブ・クラスという4人組の黒人ボーカル・グループ。
1977年のアルバム「I'm In Heaven」はヒットになりましたけれども。
プロデュースとアレンジがジョン・デイヴィスという、フィラデルフィアの有名なスタジオ・ミュージシャンであります。
作曲家でもありますが、この人の全面プロデュースで、フィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオでの録音です。
リバーブがフィリー。
1977年、シングルカットされました、全米ソウルチャート45位。
YOU GOT TO KNOW BETTER / TOUCH OF CLASS
今日の最後は、自分の曲じゃなくて、ギャンブル&ハフまでたどり着かなかったので(笑)来週はそっちの方で少しやってみたいと思います。
フィラデルフィア・インターナショナル前夜というような感じでお届けしましたが、最後はギャンブル&ハフの曲で。
歌っておりますのがジ・エシックスという、この人たち、ニュージャージーを代表するボーカルグループだったんですけど、あんまりヒット曲がありません。
その後、ラブ・コミッティとグループ名を変えて活動を続けていきますが、ここで裏声で、きれいな声で歌ってる人が、ロン・タイソンという人で、この人は後のテンプテーションズのメンバーになっていきます。
これはエシックスの最後のシングルになりますが
エシックス、1974年の「GOOD LUCK」をお聴きをいただきながら「フィリー・ソウルで棚からひとつかみ」来週のPart2もお楽しみに。
GOOD LUCK / THE ETHICS