達郎氏による曲の解説部分を要約して記載しています(青字部分は書き起こし)。ネットに楽曲データがあるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。
----------------------------------------------------------
1. DOWN TOWN / JUICE=JUICE 4月28日発売
2. OVER YOU / GARY PUCKETT & THE UNION GAP '68
3. SQUARE BIZ / TEENA MARIE '81
4. WHEN THE FUEL RUNS OUT / EXECTIVE SUITE '74
5. WITHOUT HER / NEIL MACARTHUR '69
6. OPEN YOUR WINDOW / NILSSON "HARRY" '69
7. RAINBOW OF LOVE / THE CHEROKEES '54
8. 片想い / 山下達郎 "アルチザン" '91
先週、竹内まりやさんゲストで、配信ライブの告知をさせていただきましたが。
そのときに話題に出ましたのが、Juice=Juice。
7人組のお嬢さんのグループでございますが、この方々たちに私の「Down Town」をカバーして頂いております。
その話をいたしましたら、リクエストカードがやっぱり狙って、たくさん頂いております。
4月28日ですので、出たばっかりでございます。
私のシュガーベイブのレパートリー、1975年ですから、46年前のシングルでございます。
「Down Town」、いろいろな方々が、今までカバー頂いておりますけれども、今回のこのJuice=Juiceのバージョンはですね、アレンジをしておりますのがAnders Dannvikというスウェーデンの人でありまして。
竹内まりやさんの、ダンボの実写版にはいっております「ベイビー・マイン」の編曲をしている人です。
スウェーデンで作ったトラックなので、日本のトラックとは、いろいろ違います。
いい感じで出来上がってお聴きいただけると思います。
DOWN TOWN / JUICE=JUICE
ゲイリー・パケットとユニオン・ギャップの「OVER YOU」。
プロデューサーのジェリー・フラーの作曲。1968年、全米7位のミリオンセラー。
OVER YOU / GARY PUCKETT & THE UNION GAP
ティーナ・マリーはいわゆるブルー・アイド・ソウルのシンガー。
素晴らしいシンガーで、プロデュース能力、作曲能力にも長けていた。
1981年の代表作で全米ソウル・チャート3位の「SQUARE BIZ」。
彼女は1956年生まれなので桑田佳祐さんと同世代。
2010年に54歳という若さで亡くなった。
SQUARE BIZ / TEENA MARIE
スポンサーリンク
エグゼクティブ・スイートは4人組の黒人ヴォーカル・グループ。
出身はニュージャージーだがフィラデルフィアのシグマ・サウンドでレコーディング。
いわゆるサルソウル・オーケストラ、MFSBと呼ばれる人たちとレコーディングした。
1974年、全米ソウル・チャート48位。
この曲はフィラデルフィアのヴォーカル・グループ、アンビションズもレコーディングしていて、ラリー・ウーという、後に有名になるシンガーがリード・ヴォーカルなので、ノーザン・ソウルもののコンピなんかにたくさん入ってる。
しかしエグゼクティブ・スイートのヴァージョンはCDに目ぼしいのがないので、アナログ盤から起こしたそうだ。
沈んだ空気のときはフィリー・ソウルの景気のいいやつがいい。
アール・ヤングのドラムは元気づけてくれるので、そのうちアール・ヤングの特集をしようと思っていて、もう何十年も経ってしまったという。
WHEN THE FUEL RUNS OUT / EXECTIVE SUITE
こういうご時世なので静かなやつ。
ニール・マッカーサーはゾンビーズのリード・シンガー、コリン・ブランストーンの変名で、デラム・レーベルから何枚か作品を出している。
「SHE'S NOT THERE」のリメイクがヒットしたけれど、「WITHOUT HER」は1969年の作品。日本ではブラッド、スウェット&ティアーズのアルバムでアル・クーパーが歌ってるヴァージョンが有名だ。
ハーブ・アルパートがソロ・シングルとして出している。
WITHOUT HER / NEIL MACARTHUR
スポンサーリンク
先ほどのニール・マッカーサーの「WITHOUT HER」がハリー・ニルソンの曲だったので、連想ゲームみたいにしてニルソンの曲をもう一曲。
1969年のアルバム『HARRY』に入ってる「OPEN YOUR WINDOW」はジャズのスタンダード・ナンバーを思わせるがニルソンの自作。
ニルソンのデビュー・シングルでビートルズの「YOU CAN'T DO THAT」のカヴァーから聴いて、それからずっとニルソンを追っかけていたとのこと。
ライヴを全然やらない人として有名だったが、この方ももう鬼籍に入られた。
OPEN YOUR WINDOW / NILSSON
たまにはドゥー・ワップ。
数年前に出したドゥー・ワップ・ナゲッツの続編を企画中で、それに入れようと思っている曲。
1954年のフィラデルフィアのドゥー・ワップ・グループ、チェロキーズの素晴らしい一作。
RAINBOW OF LOVE / THE CHEROKEES
アルバム『ARTISAN』に収録されている「片想い」は"5月の風"が歌われているので、5月になるとリクエストが集まるとのこと。
『ARTISAN』は今年の夏ぐらいにリイシューする予定で、リマスターしているとか。
『ARTISAN』はアナログを作ってないので、今回初めてアナログ盤が出るという。
ラッカー盤が出来て聴いたら「TOKYO'S A LONELY TOWN」がアナログの音していて良いそうだ。
片想い / 山下達郎
<了>