おとのほそみち

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山下達郎サンデーソングブック 2021年10月03日『棚からひとつかみ+リクエスト』

達郎氏による曲の解説部分を要約して記載しています(青字部分は書き起こし)。ネットに楽曲データがあるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。

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1. レシピ / 山下達郎
2. GIMME LITTLE SIGN / BRENTON WOOD
3. OOH CHA / THE SOUL TRAIN GANG
4. PROMISES, PROMISES / DIONNE WARWICK
5. TOGETHER / TIERRA 
6. LITTLE DANCING DOLL / SHELBY FLINT 
7. IT'S GONE / THE MOTIONS 
8. BLOW / 山下達郎 


この私のサンデーソングブックは、サタデーソングブックとして1992年10月に放送をスタートいたしまして、本日、10月で29周年を迎えました。
30年目に突入いたしました。来年は、いよいよ30周年となります。
29年、ここまで番組続けてこられましたのも、ひとえにお聴きを頂いたリスナーの皆様のおかげであります。心より御礼を申し上げます。
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
29年ですので、来年の30周年でドンといきたいと思います。

いつもこの番組始まった10月には申し上げておるんですけど、あとは年度がわりの4月にも申し上げておりますが、私のサンデーソングブック、音楽番組でありますが、オールディーズ、古い音楽をかける番組であります。

私自身は音楽の仕事やっておりますので、私の新譜でありますとか、関係各位に関しましては新譜がかかることもございますけれども、基本的にはオールディーズ。
そしてOldies But Goldies、古いけれども、いい音楽。それをかける番組であります。
というような事を申し上げつつ、29年やって参りました。
本日もすてきなオールディーズソングでお楽しみをいただきたいと思います。
30周年の時に、いろいろと何かできればと思っております。
今日は通過点でございます。

最近は、ここ数年間、お家に皆さんいらっしゃるというアレで、音楽の聴き方というものが、サブスクとかそういうもので変わってきてる感じなので。
特に40代、30代くらいの方々からのリクエストがですね、こんなのどこで知ったのかという、そういうようなもの、シブいところのリクエストを頂きますので。
そういうものにお応えしていくと、私が「棚からひとつかみ」で自分のレコード棚から出してきて「どうだい?」ってそういうようなものと、あんまり変わらない(笑)
なので、今日は「棚からひとつかみ+リクエスト」
山下達郎のレコード棚からアトランダムにお聴きを頂きつつ、皆様からのリクエストにお応えいたします。
食欲の秋だからか分かりませんけれども、私の「レシピ」にリクエストたくさん頂いております。
レシピ / 山下達郎


 

ブレントン・ウッドはルイジアナ生まれ、カリフォルニア育ちの黒人ソウルシンガー。
「GIMME LITTLE SIGN」は1967年、全米9位。イギリスでもベスト10ヒット。日本でも大変ヒットした。作曲者のアルフレッド・スミスはブレントン・ウッドの本名。
GIMME LITTLE SIGN / BRENTON WOOD

 

ソウル・トレイン・ギャングは、アメリカのテレビ番組「ソウル・トレインから生まれたヴォーカル・グループ。
フィラデルフィアのMFSBのメンバーでレコーディングされているので、いい曲がたくさんある。
男女混成の5人組で、この中の一人ジェラルド・ブラウンはのちにシャラマーのシンガーになった。
「OOH CHA」は1976年のセカンド・アルバム『SOUL TRAIN GANG』からシングル・カットされて全米62位。
OOH CHA / THE SOUL TRAIN GANG



「達郎さんのしびれる店長が効いた曲がありましたら」というリクエスト。
そういう曲は、たくさんありますけれど、私、ティーンエイジャーで一番びっくりした曲はですね、ディオンヌ・ワーウィックの1968年のヒットソングの「Promises, Promises」。
バート・バカラック、ハル・デヴィッドですが、もともとはミュージカルのテーマとして作られた曲です。
この曲は、コードの複雑さもさることながらですね、テンポの複雑さ、どこまで行くんだと。
たった3分の中に、どれだけ詰め込めば気が済むのかという。
これ、僕、高校のアタマくらいで聴いて、すごく驚愕したのを思い出がある曲で。
すごい曲作るなって、思いましてですね、まだ銀座のヤマハがあった時代だったんで、そこで「Promises, Promises」をマーチにした譜面を、アメリカで出している譜面を買ってきて、高校のブラバンで、体育祭の行進曲で使ったことがあります。
そういう思い出とともにあります(笑)

PROMISES, PROMISES / DIONNE WARWICK

これでも全米19位という、こんな難しい曲が、そこまでチャート上がるんですから、すごい世の中です。
曲もすごいですけど、それを演奏するミュージシャンの演奏力の高さと、それに乗って歌えるディオンヌ・ワーウィック(笑)
この曲をアルバムタイトルにしたアルバムがあるんですけど、これが僕が一番好きなディオンヌ・ワーウィックのアルバムで、この中に入ってる「Who Is Gonna Love Me?」って曲があります。
これが、僕高校1年くらいの時にFENの深夜でずーっとかかっておりまして、こればっかり聴いてた時代があります。

 

カリフォルニアのチカーノ・ロック、ラティーノ・サウンドを聴きたいと思っていたら、リスナーからリクエストが。
ティエラはチカーノのR&B。いわゆるブルー・アイド・ソウル。
もともとエル・チカノというグループにいたルーディとスティーヴ・サラスの兄弟が脱退して作ったのがティエラ。
イントゥルーダーズのヒット曲のカヴァーで、1981年に全米ソウルチャートのベスト10に入り、全米でも18位。
TOGETHER / TIERRA

 

「以前オンエアされたシェルビー・フリント。他の曲でお勧めがあれば」というリクエスト。
天使の歌声と言われるシェルビー・フリントは、ウエスト・コーストのシンガー・ソングライター。
ここ数年、1963年の「LITTLE DANCING DOLL」をよく聴いている。
シングル・オンリーでヒットしてないが、歌詞が素晴らしいと。
プロデューサーのバリー・デヴォーゾンとボビー・チャンドラーのコンビの曲。
LITTLE DANCING DOLL / SHELBY FLINT 

 

モーションズはオランダの4人組のロックグループで、メンバーはのちにショッキング・ブルーのメンバーになる。「IT'S GONE」は1965年のシングル。
IT'S GONE / THE MOTIONS


来週は『「肉」で棚からひとつかみ』
まったく関係ないが、今日の最後は「BLOW」
 BLOW / 山下達郎 

 

<了>