おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也

山下達郎サンデーソングブック 8月25日「納涼夫婦放談Part2」書き起こし

 

曲のエピソードなどの対談部分を書き起こしています。インフォメーションやリスナーからのメッセージは割愛しています。
今回取り上げられた作品「Turntable」は、ネット上に音源はありません。
しかしありがたいことに、達郎氏作のマスターエディットがネットで公開されたので貼り付けておきます。

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1. THEME FROM BIG WAVE / 山下達郎
2. 悲しきあしおと (ON THE STREET VER.) / 竹内まりや
3. セルフカヴァー・マスター エディット・10連発 / 竹内まりや
4. 悲しきハート / 竹内まりや
5. 憧れ / 竹内まりや
6. アップル・パップル・プリンセス / 竹内まりや
7. 君のために / 竹内まりや "ターンテーブル
8. ボーイ・ハント (ENGLISH VER.) / 竹内まりや


毎年恒例、竹内まりやさんゲストに納涼夫婦放談ですが、今年は竹内まりやさんが、デビュー40周年ですので、拡大版でございます。
3週間、お届けします。先週、Part.1でした。今週は、Part.2でございます。
ディスク2、レアもの音源です。
ボーナスディスクに入れたやつとか、シングルのカップリング、未アルバム化、それから初CD化、いろいろ、たくさんございます。


夏の終わりですので私の曲「BIG WAVE」にリクエスト頂いております。



 

悲しきあしおと (ON THE STREET VER.) / 竹内まりや

達:今の曲は、2003年のアルバム「Longtime Favorites」に。
ま:これの初回限定版のボーナストラックとして入れた「悲しき足音」のオン・ザ・ストリート・バージョンなんですけれども、「悲しき足音」は本編というかCDの方では英語で歌っていて、日本語のバージョンこそ私が小さい時に聞いていたダニー飯田とパラダイスキングのバージョンで、すごい好きだった曲です。佐野修さんがこれのリードボーカルだったんですけど、その佐野さんと1年ぐらい前にヤマハホールでばったりと会って。お目にかかったら「まりやちゃんが僕の「悲しき足音」をカバーしてくれて本当に嬉しかった」とおっしゃって。今年の1月に亡くなられたんですよ。
達:そうですね
ま:あの時最後に話したのがこの曲の話だったので、これはぜひ入れたいなと思って。
達郎がこのドゥワップ形式で。
達:スティーブ・ローレンスの1960年のヒットバージョンって今聞くとちょっと古いんですよ。だから英語バージョンの方はかなり変えて、少し近代的に、近代的につったってもともと古いですから(笑)こちらの方は完全にドゥワップです。もともと古いので。
ま:バリー・マンの作曲だよね。
達:そうですよ
ま:訳詞はみナみカズさんこと安井かずみさんなんですよね。すごい懐かしい。
達:こっちが英語バージョンのような記憶があったんだよね。
ま:で、ドゥワップをやったことも忘れている。
達:(笑)すいません。でですね、このディスク2の一番の売りは、いわゆるセルフカバーもの。アイドルにたくさん書いていた時代のやつを自分で、あるものはシングルのカップリングで、あるものは普通にアルバムに入れたりして。
ま:今回あるものはCD化もして、初めて録音したというのもあります。
達:全部お聞きいただくと時間がとても足りないので、全部で11曲セルフカバーがあるんですけども、そのうちの10曲をエディットしました。マスターエディットというやつですね。一挙にお聞きいただきます。いわゆる12倍速とかそういうやつです。
ざっといきますと、森下恵理さんというアイドルのシンガーに書きました「Hey! Baby」。これ、何かのB面ですね。
ま:これは「シングルアゲイン」のカップリングだったかな。
達:牧瀬里穂さんに書いた「Miracle Love」、時々、サンソンでかかっております。
中森明菜さんに書いた「約束」
岡田有希子さんに書いた、この2曲は新録です。「ファースト・デイト」「 恋、はじめまして」
それから森下恵理さんに書いた、これシングルA・Bですけど、B面の方で「真冬のデイト」
福永恵規さんに書いた「夏のイントロ」
岡田有希子さんに書いた「憧れ」
薬師丸ひろ子さんに書いた「トライアングル」、これは、「明日の私」のカップリングかな。
そして広末涼子さんに書いた「MajiでKoiする5秒前」
10曲連続、セルフカバーマスターエディット。


竹内まりや・セルフカヴァー・マスターエディット・10連発 Edit by 山下達郎

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ま:さすがに素晴らしいエディットですね
達:こういうのは得意なんです、私。
ま:ありがたいです。
達:自分がやってるから分かるんですよ。
ま:なるほど。駆け抜けましたね。
達:熟知してないと駄目ですね。
ま:今回このレアリティーズ20曲あるんですけど、そのほとんどがアルバムには未収録だったんです。考えてみたら。一堂に会することができてよかったなあと思って。
達:そうですね「Mariya's Songbook」というのは人に書いた曲のオリジナルバージョンですからね。ですからセルフカバーはほとんどが初CD化。
ま:あと62曲全部の曲目解説を書いたんです。これがしんどかった。
達:(笑)
ま:だから歌詞カードもブックレット2冊になっちゃったんですよ。それにひとつずつの思い出とかを書いていたら、62曲はさすがにね、時間がかかりましたけど。
達:それで4000円だから、1曲65円。
ま:(笑)そうだよね。ダウンロードより安いんですよね。
達:いちおう確認ですけど、1985年の森下恵理さん「Hey! Baby」、牧瀬里穂さんは91年「Miracle Love」、86年中森明菜さん「約束」、岡田有希子さんは84年「ファースト・デイト」「 恋、はじめまして」、また森下恵理さんさんに戻って「Hey! Baby」のB面「真冬のデイト」、福永恵規さん87年「夏のイントロ」、 岡田有希子さんは84年「憧れ」。全部84年だな。薬師丸ひろ子さん88年の「トライアングル」。そして広末涼子さん97年の「MajiでKoiする5秒前」、10連発。
ま:セルフカバーで達郎がやってくれたアレンジは全部好きなんですよね。またオリジナルと違っていて。
達:(笑)闘争本能で。
ま:あと岡田有希子ちゃんと福永恵規ちゃんは、新たに録り直して「Mariya's Songbook」に入っていた デモバージョンとは違うんです。
達:そうですね。この時代は僕が全部デモ作ってるんで。岡田有希子さんのやつは萩田光雄さんがやってるんです。
ま:オリジナルアレンジはそうですね。
達:ああいう歌謡テイストがあったほうがいいんです。
ま:それで聖子ちゃんをやってくださった増田武史さんに頼んで、あと福永さんの方は鈴木俊介さんという、あややの曲をやってくれた若いアレンジャーに頼みました。
達:若い人にもちゃんと継承されてますね。
ま:でもセルフカバーをやるのも、自分の声を考えると、この60代の初めが最後と言うか、こういうティーンエイジものを歌うのは、この時期を逃すと歌えないなという歌詞なんですよね。だから歌えて良かったなと。
達:良かったですね(笑)
ま:特に有希子ちゃんの場合はずっと歌えずにいたので、三十三回忌を経てやっと歌えて良かったです。
達:というわけでセルフカバーがどっとありますが、いわゆる洋楽カバーも結構入っておりまして、 「Longtime Favorites」、 2003年に出しましたそれにアウトテイクがありまして、あの時歌入れが間に合わなくて。
ま:そうなんです。歌にどうしても納得ができなくて。あとちょっとした被せも足りてなかったので、お蔵入りということで泣く泣く入れなかった曲が1曲ありました。弘田三枝子さんのカバーですが「悲しきハート」。

悲しきハート / 竹内まりや

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達:弘田三枝子さんでとても有名ですが、詞はまた、みナみカズさん、安井かずみさん。
これはもともとは「Lock Your Heart Away」という曲でして、スーザン・シンガーというイギリスのレコーディングなんですけれども、ヘレン・シャピロのいとこ。
ま:「悲しき片思い」を歌ったヘレン・シャピロね。
達:曲を書いたのも「悲しき片思い」を書いたジョン・シュレーダーと言うイギリスの人なんです。
これ1963年の作品ですが、これヒットしてないんです。チャートに入ってない。
ま:ああそうなの?でもミコちゃんが歌ったのは。
達:日本での方が有名なんです。
ま:紅白歌合戦で歌われた姿を覚えてるもん。
達:不思議な、和製ポップスの選曲眼ですね。
ま:そうね、ミコちゃん節になってるもんね。
達:これは私ひとりで演奏しているので。それにジェイクさんのサックス入れて。結構自信作だったんですが。
ま:でもそれが陽の目を見て良かったですね無駄にならなくて。
達:(笑)良かったです。苦労したんですから、これ。
先ほどのセルフカバー、マスターエディット10連発ですが、何かちゃんと聞かせてあげたいやつを。
ま:岡田有希子ちゃんに私が一番最初に書いた曲がこの曲だったので、是非これをかけたいと思います。「憧れ」を聞いてください。

憧れ/竹内まりや

 

達:岡田有希子さんのセルフカバー「憧れ」。萩田さんの完コピですね。
ま:そうですね。オリジナルアレンジに限りなく近くやろうということで。ハルナちゃんとENAちゃんにコーラスを手伝ってもらいました。
達:今の若いアレンジャー、この人は40代かな。80年代の歌謡曲をよく研究してますね。
ま:そうだよね。

達:長らくアルバム化が待たれていた1曲がありまして、「アップル・パップル・プリンセス」という。
ま:これはもともと1981年の「NATALIE」のカップリングで、そのあと2008年に「縁の糸」のカップリングにもしたんですけど、アルバムには入ってないんですよね。
達:「みんなのうた」。作曲は加瀬邦彦さんで、アレンジは大村憲司さん。
ま:テクノポップだよね、これ。
達:2008年バージョンと書いてありますけど、リマスターバージョンですね。ミックスは同じです。
ま:これはコーラスをEPOちゃんと大貫妙子さんに手伝っていただきました。
達:時代です。

アップル・パップル・プリンセス / 竹内まりや

達:1981年のNHKの「みんなのうた」。歌詞がむちゃくちゃ紛らわしいのでライブではやらないと言ってましたね。
ま:(笑)これ難しいんですよ。歌自体も難しいですけど。
達:思いつきの歌詞ですから。
ま:でもすごくこれが好きだというファンの方がいらっしゃるんです。
達:今は亡き加瀬邦彦さんの作品ですからね。
ま:入れられて良かったです。この曲も。
達:ディスク2の超異色は加山雄三さんのカヴァーがあるんですね。
ま:はい。これは2015年に岩谷時子賞を頂いたときに、パーティーで何か岩谷さんの歌を歌おうということで、選んだのが加山さんの「君のために」だったんです。だからそれ用に録った服部先生のアレンジのトラックがあったので、これはぜひちゃんと歌って仕上げようということで。
達:なるほど。超異色。1967年、加山さんのシングルですよね。
ま:そうですね。ちゃんと私、セリフも入れました。

君のために/竹内まりや

ま:加山さんの80歳のサプライズ誕生パーティーを桑田佳祐さんたちと一緒に開いたときに、ご本人の前で歌わせていただいて、とても喜んでいただけてありがたかったです。
達:あたしゃ「BOOMERANG BABY」やりました。
ま:そうだったよね。
達:だけど作曲能力ありますよね。私が言うようなあれじゃないですが。
ま:この曲、すごい好きだったんで。
達:「BOOMERANG BABY」が書けて、「君のために」が書けるんですから。
ま:そうだよね。
達:レンジの広さが、非常に作家的ですね。
今日の最後はやはり2003年の「Longtime Favorites」のボーナスディスクに入っていましたコニー・フランシスの「ボーイ・ハント」。
ま:これは本当に私の原点ですね。
達:これの本チャンのCDは日本語バージョン。
ま:そうです。それで英語バージョンは初回盤のボーナスディスクだけだったんで、今回入れたんですけど、この英語バージョンの歌を大瀧詠一さんに褒めて頂いて、想い出の楽曲なので是非ということでこれも入れました。アビー・ロード・スタジオでストリングスをレコーディングしたこの曲を。

 ボーイ・ハント (ENGLISH VER.) / 竹内まりや

 

<了>

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