おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2022年8月28日「納涼夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」

番組中の曲の解説部分を要約して記しています。 ネットに音源があるものは張っていますが、オンエアされたものとはヴァージョン等が異なる場合があります。

1. SUMMER VACATION / 村田和人 & 竹内まりや 
2. QUIET LIFE 全曲EDIT / 竹内まりや "クワイエット・ライフ 30周年記念盤" 
3. AMAZING LOVE (仮VOCAL) / 山下達郎 "未発表音源"
4. MIDNIGHT RAIN (DEMO) / 竹内まりや "未発表音源"
5. MIDNIGHT RAIN / KINKI-KIDS 
6. SLOW DOWN (SLOW LOVE) / OLIVIA NEWTON-JOHN
7. SHINING FROM THE INSIDE / 山下達郎 

達:8月最後の日曜日今週、来週2週間、毎年おなじみ。今年もこの方がゲストです。
ま:こんにちは。竹内まりやです。
達郎さん、復活おめでとうございます。
達:ハイ。納涼夫婦放談です。
ま:良かったですね、コロナ治って。ずっと鼻声だったの私気になってたけど、ようやくね戻ったし。
達:疲れてたんです。
ま:いやでも結婚して40年になりますけど、この40年で、側で見てて、こんなに忙しいことあったっていう感じだったよ。
達:そうですよ。
ま:だって、リハーサルしながら取材やって、ラジオやってるなんてことは、なかったよね今まで。
蓄積疲労だったんだろうなと思いますね。
達:老人虐待ですね。
ま:でも軽症済んで良かったです。早い復帰でよかったですね。
達:おかげさまで(笑)
ま:復帰した後の方がファルセットがよく出るって、どういうことなんだろうね?
達:わかりませーん。
ま:声のことは、私も心配してたんだけど「よく出るんだよ」って、休んだからだよね。
達:要するに老人虐待です(笑)
ま:働かされすぎ。
達:というわけで、毎年恒例、竹内まゲストに納涼夫婦放談でございます。
今週の水曜日8月31日、1992年に発売されました竹内まりや『Quiet Life』、これの30周年記念バージョン。
ま:30年になりましたね。
達:早いですね。
あの当時はもう既にアナログ盤が滅びておりましたので「アルチザン」と同じで、初めて。
ま:初のアナログです。でも、いい音してますね。
達:そうです。CDもいい音してます。
ま:ありがたいです。
達:テクノロジーの発展でございます。
ですので今日は前半は今週発売になります『Quiet Life』30th Anniversary versionのご紹介を兼ねまして、お届けしたいと思います。
今週来週2週間、おなじみ「納涼夫婦放談」でございます。
もう定番で、始める時はこの曲「Summer Vacation」
村田君も何年になりますか。
ま:去年は私のバージョンでしたが、今年は村田君のオリジナルバージョンでいきたいと思います。
達:おなじみ、村田和人 & 竹内まりや「Summer Vacation」
SUMMER VACATION / 村田和人 & 竹内まりや


達:この番組10月で30周年を迎えます。
1992年の10月から始まったんですが、その時はサタデーソングブックという土曜日の番組だったんです。
ちょうど『Quiet Life』の発売の時に竹内まゲストでアルバムを紹介した。
ま:始まって間もないときに、ゲストで入ったんだ。
達:そうです。思い出の『Quiet Life』(笑)
あれから30年。早いものでございますが。
ま:てことは、「FOR YOU」はあれから40年ってことよね。
達:そうです。
ま:すごいね~
達:「FOR YOU」の40周年、やんなかった(笑)
ま:今の若者、「FOR YOU」聴いてますもんね~
達:アナログ盤出す予定がありますので。
ま:「FOR YOU」アナログ化される?
達:アナログ化するように今準備しております。何せアナログの生産能力がないので、なかなかあれですけど。今予定を立てております。
ま:ぜひお願いします。
達:しばらくお待ちください。

達:で、『Quiet Life』30th Anniversary edition、CDそしてアナログ盤、同時発売でございます。
ま:今回、能地さんと達郎にも。
達:能地祐子さん。
ま:能地祐子さんにライナーノーツ書いていただいたんですけども、その解説が素晴らしくて。
本当に能地さんもよく分かってらっしゃるなと思ってね。感動して読みました。
なんか読み物としてもすごくいいですよ、今回のブックレット。
達:で、何曲かお聴きいただこうと思いましたが、ご本人のたっての希望で、みんなまとめて面倒みてくださいと。
ま:すいません(笑)山岸ディレクターに是非編集していただきたいと思いまして。
達:山岸清佳の腕の見せどころ。『Quiet Life』30th Anniversary edition全曲エディット、いってみます。
QUIET LIFE 全曲EDIT / 竹内まりや

ま:ちょうど『REQUEST』から5年たって『Quiet Life』を作ったんですけど、子育てしながら、意外と色んなドラマとか映画とかのねオファーを頂いて。
一生懸命書いたのを子どもサマーキャンプ行ってる間に「告白」とかアレンジしてもらったよね。
達:そうですね(笑)
ま:「マンハッタン・キス」は、すっごいハードなスケジュールで。
達:とんでもないですよ。神奈川県民のライブの千穐楽の翌日から4日で作れと。
ま:4日で!
達:4日で作ったのは2曲かな。「恋の嵐」も4日、「マンハッタン・キス」も4日。
ま:そうだったけ。
達:スタッフが鹿の角持ってきたんですよね。志村けんじゃないって(笑)
ドラムの青山純がハワイへ行っちゃったんで、それでうわもの作って島村英二さん、ドラムの。
島村君にドラムを仮でやってもらって青山純でやり直そうと思っだけど、島村君のドラムの上でダビングをしたので、青山純でやり直すと全然ノリが合わなくなってしまって。結局、島村君のドラムで、そのままOKだという、そういう逸話がありますね。
ま:でもなんか子育てしながら夜中いっぱい書いたっていう、その思い出とともに『Quiet Life』はあるので、ちょっと感慨深い30周年ですね。

Quiet Life (30th Anniversary Edition) (アナログ盤) (特典なし) [Analog]

Quiet Life (30th Anniversary Edition) (アナログ盤) (特典なし) [Analog]

  • アーティスト:竹内まりや
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ま:でもまあ11年ぶりにアルバム出した甲斐がありましたね。
達:おかげさまで。
ま:いろんな世代の方に聴いてもらって。しかもカセットが売れたってどういうことなの?みんなカセットレコーダーってもってるの?
達:カセットがまだ残ってる。MDはないけど。不思議だね。
ま:カセットが売り切れちゃったって、どういうことかなと思ってた(笑)。時代が逆行して(笑)
達:LPもそうだけど、生産間に合わなくて。本来は、なんでこんなにタイトなスケジュールになったかっていうと、LPが、すごくオーダーが多くて。プレスが、とにかく生産能力がないんで。発売日がどんどん遅くなったんですよ。
本当3月とか、そのぐらいの発売できる予定だったのが、4月、5月どんどん延びちゃって。
どうしてもアナログLPと同時発売をしたいというようなことになったんで。
ま:ならばツアー中に出そうみたいになったんだ。
達:結果的に、もうリハーサル始まってるのに。
ま:結果的に(笑)でも、それ良かったですよね、逆に。
達:それで老人虐待プロモーションということになりました。


達:そのあと、キンキ・キッズの25周年の「Amazing Love」
ま:そうだね。このキンキのデモを作ってた頃はお正月だったよね。
達:そうですよ。だから正月三が日、酒を飲まないって生まれて初めて(笑)
ま:えらい。キンキ・キッズの東京ドーム公演、こないだ8月6日、達郎が大分に移動した時に見に行ったんですけど。素晴らしかった!
ちょうど「硝子の少年」が25年前に発売された時に見に行ったんだよね。横浜アリーナに。
あの時の、ファンの皆さんが一斉にあの「硝子の少年」を。
達:アンコールにカラオケをかけたのね。それを、お客が全員歌うんですよね。
ま:あれ鳥肌たったよね!
達:僕ね、ライブで例えば「鳥肌立つ」とかいろいろあるけど、そんなこと思ったこと一度もなかった。でも、あのときだけはね、あれはすごかった!
ま:みんながさ、あれオケに乗せて歌った時、うわぁ~って!
達:あのパワーっていうか、あれはすごい。
ま:その後25年経って私、そのキンキの2人のライブを久しぶりに見たら、なんか大人になったキンキが今でもあの「硝子の少年」を歌い、しかもこの25周年記念の「アメイジング・ラブ」を歌う姿がね、なんか感無量でしたね。
達:人の縁っていうのは、おもしろいですね・・・
ま:本当に。
達:お手伝いできて良かったですね。
ま:私も今回のシングルは、カップリングを書かせていただいたんだけど。
達:そうだね「Midnight Rain」
ま:達郎が陽だったら、私は陰の方で。マイナーの方で。
キンキはね、とてもマイナー・メロディが声に合うので、書かせていただいたんですけど。
達:で、今日はですね。
だから「Amazing Love」と「Midnight Rain」、ひとつですね、デモを聴こうと。
ま:私、達郎のデモは聴いたことないの。
達:デモっていっても、本チャンに近いんですけど。要するに仮歌です。
ま:それを聴いて、みんな歌入れする時に、たくさんのものまねしながら歌ったっていうのを聞きました。
達:これを聴きながら、歌入れは。歌詞作る前のララメロはまた違うんですけど。
歌詞ができて、僕がそれを歌ってるやつで。まだストリングスが入ってないです。
コーラスは入っているかな?入ってないかもしれない。
だから歌がやたらでかいので、それだけご了承ください。
「Amazing Love」の私の仮ボーカル・バージョン
AMAZING LOVE (仮VOCAL) / 山下達郎 "未発表音源"

達:やっぱりコーラス入ってませんね。
ま:そうだね。
なんかもはやね、キンキでずっと聴いてたから、こっちの方がモノマネ感がある(笑)
達:ははは、違和感がある(笑)
ま:キンキの方が、もうオリジナルな感じになってるから。一文字ずつで歌うとかいうのは?
達:あれは僕のアイデア。ハモリとかのそういう段取りは全部自分なりに。
ま:でもそのキンキ・キッズが二人でそろって一緒の曲の歌詞を考えたのは本当に初めてだと。
達:それ意外だった。
ま:本当に記念すべき曲になりましたよね。
達:まったくね、ありがたい。
で今度はカップリングのほう「Midnight Rain」ですが、今日は一つデモでも。
ま:東京ドームでも彼らは言ってたけど私節っていうのがあるんですよ。まりや節っていうのがあるらしくて。
それをどのぐらい入れようかって、なんか考えて歌ったんだって、おっしゃってたんですけど。
達:よく考えて歌ってるよね。
ま:本当によくそこは、ニュアンスがね引き継がれてるの。
達:シンガーソングライターじゃないのでね。人の曲をもらって、歌うので。そこの解釈っていうことを、結構ディスカッションしてやってるんですよ。
ま:すごい表現力があるなぁって、セリフも素敵です。
MIDNIGHT RAIN (DEMO) / 竹内まりや 

達:てなわけで、竹内まりや版のデモの「Midnight Rain」でございました。
続きまして、キンキキッズの本チャン「Midnight Rain」
MIDNIGHT RAIN / KINKI-KIDS 

ま:二人の声の個性が違うからユニゾンになった時にすごくいい響きになるんだね。
達:一人で歌ってもおもしろくないんですよ(笑)
ま:二人のユニットの良さはそこだなと思いましたね。

 

達:最近は訃報がですね、もうひっきりなしに来ますが。
オリビア・ニュートン・ジョン亡くなったという訃報で。
ま:まだ若いですよね。
達:そうですね。
ま:癌と戦ってらしたという。
達;たくさんリクエストいただいてるんですけども。
今日は一つですね、2000年代に発売されました、いわゆる逆カバーものと言いましょうか。
ま:そうですね2002年と2003年に「Sincerely」というタイトルで、外国のアーティストの方が私の曲をカバーしていただいたっていうのが、ユニバーサルから出てるんですけど。
例えば「告白」をロバータ・フラック、「シングル・アゲイン」を フィービー・スノウ、それからポインター・シスターズが「今夜はHearty Party」歌ったりとか。
その中でですね2008年に、このコンプリートエディションっていうのが出て。
そのボーナストラックがたまたまオリビア・ニュートン・ジョンの歌う「スロー・ラヴ」だったんです。
達:よく分からない。
ま:どういうあれで、いきさつで、そういう風にたどり着いたのか、ちょっと私も分からないんですけど。
オリビア・ニュートン・ジョンの追悼の意を表して。
達:これタイトルが変ってますね。
ま:「スロー・ダウン」になってますね。
達:オリジナルは「スロー・ラヴ」
ま:聞いてください。
SLOW DOWN (SLOW LOVE) / OLIVIA NEWTON-JOHN


達:オリビア・ニュートン・ジョンの「スロー・ラブ」転じて「スローダウン」
「Sincerely」っていう、ユニバーサルから出た、いわゆる逆カバーものはですね、2002年、2003年なので。この「スロー・ラブ」は2006年のシングルなので。
ですので、これ2008年にリリースした時にくっつけたんですよね。
で、ボーナストラックになったっていう、そういうことですね。
ま:他にもリタ・クーリッジとかね。
ボビー・コールドウェルとか、結構ビッグ・ネームが私の曲、歌ってくださってたんだなぁと。久しぶりに、これ聴いて、思い出しました。


ま:(ツアーの)札幌とか盛岡とか延期になったところは、次入るね。
達:スケジュール決まってきましたので。
ま:よかった。
達:ちょっと先になりますけどチケット持ってお待ちください。
ま:例えばツアーに行ってるときの、ホテルの空調のね、調整とかが難しかったりしない?
達:ホテルの空調はですね、最近よく分かったんですけど、停めるでしょ、かえって寒くなる。
ま:え? どうして。
達:色々ホテルありますけど、最近の空調は、停めるでしょ?するとね、すっごい冷えてくるんですよ。不思議なの。
だからちゃんと27度だったら、きちっとやんないと、それを停めると、23度とかいきなり下がってくる。
そういうとこ、すごい多いですよね。
ま:自動的に全体がそういう風になってるのかな。
達:それで他の人たちも、スタッフなんかも「寒い~」とか言って。
みんなでディスカッションして、本当に26度か。
エアコンの性能もそれだけ上がってるのと、あとは廊下とか、そういうとこの空調がめちゃくちゃ効いてる。
換気もあるし、コロナでね。今年は特にそうで。あんまり参考になる話じゃないですけどね(笑)
ま:でも、風邪とかに気を付けないといけないから、みんなね。
達:ですから、空調を停めて寝るよりも、つけて寝る方が今はいいみたいですね。あと加湿ですね。
ま:夏でも?
達:夏はどうってことないけど、加湿器がこういうコンサートツアーでは必須ですから。特に冬は。
ま:達郎の楽屋に入ると、むっとするもんね。その加湿で。もう保湿がなされているから(笑)
達:加湿部屋(笑)カビ生えるから、嫌うんですホテルなんかね(笑)全然、薄い話のまま(笑)
本当にでも、冷房効き過ぎとかですね。あとはもう熱中症とか。暑いのも大変だし、効き過ぎも大変だし。
皆さんお気を付けください。
ま:ほんと、今年の夏は暑いよね。
達:たいへんです。
今日の最後は、「SOFTLY」から一曲かけろと。
ま:ぜひかけて欲しいんです。
私は、「FOR YOU」からもかけたかったんで、これ来週かけようかなと思ってるんですけどね。
達:どう考えても働きすぎです。
ま:そういうはがきが80パーセントくらいあった。
達:ハイ。すいません。老人虐待プロモーション(笑)老人虐待ツアー(笑)
アルバム「SOFTLY」から「SHINING FROM THE INSIDE」で今日はお開き。
来週の「納涼夫婦放談」お楽しみに。
SHINING FROM THE INSIDE / 山下達郎