おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也


山下達郎サンデーソングブック2021年08月22日「納涼夫婦放談パート1(ゲスト:竹内まりや)」

お二人のトーク部分の書き起こしです。抜け漏れはご容赦ください。

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1. 象牙海岸 / 竹内まりや 
2. 突然の贈りもの / 竹内まりや 
3. 雨はいつか / センチメンタル・シティー・ロマンス
4. 駅 / 竹内まりや
5. プラスティック・ラブ / eill 
6. 人生の扉 / 竹内まりや

 

達:サンデーソングブックは毎年この季節はですね、おなじみのプログラムでございます。
今日も、ゲスト、この方です。
ま:こんにちは。竹内まりやです。
達:納涼夫婦放談、これも何年になりますかね。
ま:何年になりますか。
達:29年目ですから。最初からやってるよね?
ま:最初から、やってないような気がするけど。
達:覚えてません。
ま:でも本来なら、達郎はツアーしてたはずなんだよね。
達:そうです。
ま:私も今年ツアーがとんでしまいましたけれども。
達:やってたら、大変だったよね。
ま:この状況じゃね、やっぱり見えなかったなぁって思いましたね。
達:いろんな方々が、いろんなご意見お持ちですけれど。一番最終的には、自分の判断。
ま:そうね。
達:そういうものであります。
ま:私たち、いちおう前期高齢者なんで、2回ワクチン受けましたけどね。
ほんとにたいへんな世の中です。
達:まったく。まぁでも、全世界的にそうですから。
全世界的に助け合っていかなければいけません。
ま:そうですね。
達:それでも、いろいろとですね騒乱その他ありますけれども、我々は、我々の生活者のテリトリーをですね、一所懸命守るねべく努力する、そういう感じでございます。
ま:でも、ずいぶん作曲とか、レコーディングに専念なさっておりますね。達っつぁん。
達:去年の今頃はテレワークでやってたんですけど、やっぱり感染者増えてきてるので、やっぱりテレワークでやろうかなと思ったんですけど。
夫婦放談、テレワークで家でやろうとしたら、たいへんな手間かかるでしょ?
ま:どうして?
達:だってマイクを用意して、それを録って。
ま:盤まわして。
達:去年のテレワークのとき、一人でやったとき、下手すると朝、夜明けをみてるっていうね。
ま:やっぱりスタジオじゃないと無理だね。
達:そうです。
で、メールがものすごく頂いているので。
ま:ありがとございます。
達:今日もだからメールとハガキの整理だけで、明け方までかかって(笑)
ま:メールを印刷したのを、つぎはぎして切っちゃたりしてるでしょ?
達:ハガキと同じ扱いしなきゃなんないから。
ま:すごいね。そんな手間暇かけてたんだ。
達:そうですよ。
ま:えらい。
達:ツアーやってないからできるんです、これ。ツアー始まったら無理です。
ま:たくさんのお便り、ありがとうございます。
達:ほんとに、たくさん頂いているので、それに少しでもお応えすべく、がんばって。
で、毎年恒例「納涼夫婦放談」でございます。
竹内まりやさんの話題も、いろいろございますのでですね。
今年も、いろいろと、薄めでございますけれども(笑)
今週、来週2週間おおくりいたします。
今週は1506回目のサンデーソングブックでございます。
日曜日の午後のひと時、今日はオールディーズソングではなくて、竹内まりやさんと私の曲を中心に。
あと、いろいろと訃報も届いておりますので、そういう思い出話など交えつつ、今週、来週2週間サンデーソングブック「納涼夫婦放談」
今日は、そのパート1でございます。
今日は1曲目なし。
お知らせ挟んで、さっそく始めます。

 

象牙海岸 / 竹内まりや 

達:「象牙海岸」にリクエストいただいています。(リスナーから)『達郎さんは天文学者になりたかったそうですが、まりやさんは、もし歌っていなければ他の職業で目指していた仕事はありますか』
ま:あります。私は、音楽雑誌の編集者でしたね。もうマジで考えてました。
星加ルミ子さんっていう編集者にあこがれて。
達:そうなってたら、今どうしてるでしょうね(笑)
ま:今ねえ。そうだね、いろんな人にインタビューしてるかもよ。
達:音楽雑誌もなかなか大変ですからね。
ま:山下達郎のところへ行ってインタビューしてたかもしれないよね。
ぜったい嫌いになって帰ってきてたと思う。
うわあぁ、いやな感じとかいって(笑)

 

達:「アルチザン」が出たばかりであります。
おかげさまでご好評を頂いております。30年前の(笑)
ま:いい音だよね。アナログ盤もほんとうに。
達:ワーナーのマスタリング・エンジニアの菊池さんががんばったんです(笑)
ま:思い入れのあるアルバムでしょ?ひとりで孤軍奮闘した。
達:ひとりでやりましたからね。
(リスナーから)『すいません、達郎さん。私は1991年の「アルチザン」をパチンコの景品でとりました。今度の30th記念盤は、ちゃんとCDショップで購入いたします』
ま:ありがたいね(笑)
達:これ、今日ウケたなぁ(リスナーから)『「アルチザン」のLP届きました。「Groovin’」を途中でフェイドアウトして、今週もおわっちゃったかぁと切ない気持ちになる遊びをしています』
達:(笑)
ま:ラジオ感出してんのね(笑)

 

達:センチメンタル・シティ・ロマンスの中野督夫さんが、長い闘病の末にですね。。
ま:はい、残念なことです。
センチは、私が、歌のキャリアを始めるときに、一番最初に出会ったバンドなので。
ほんとに思い入れも強かったし、特にとっくんの明るさと、あの名古屋弁のね、豪快さが私はとても好きで。
音楽的にも、たくんさ一緒にやりましたし。「人生の扉」とか「シンクロニシティ」とか「バラエティ」の中にはいってる「ONE NIGHT STAND」とか。
センチのコーラスなしには成り立たない楽曲というのもたくさんあったし。
いっしょにツアーしたこととかも思い出に残ってますし。
ほんとはね、コロナでなければ、会いに行けたかなぁというのも、ちょっと悔やまれるんですけども。
でも、とっくんの歌声と、作ってくれた音楽は永遠だし。
冥福をお祈りしながら、今日は一番最初に、私がソロになった一番最初にレコーディングした「BEGINNING」の中から思い入れのある、とっくんが間奏でギター弾いてくれてる、これ大貫妙子さんの曲なんですけれども。1曲聴いてください。「突然の贈りもの」

突然の贈りもの / 竹内まりや 

 

達:「突然の贈りもの」、1978年の竹内まりやデビューアルバム「BEGINNING」
ま:「BEGINNING」は、半分はLA録音ですけれど、半分は箱根のRockwellで、センチと合宿しながら5曲くらいレコーディングした、すごい思い出のあるアルバムなんですけど。
達:この時代は、野口がドラムなので。野口明彦はシュガーベイブのオリジナルメンバーであります。
私は1974年に、池袋のシアターグリーンというところで、センチと対バンになりまして、シュガーベイブとそこで初めて会いまして、おしゃれな音を出すバンドだなと。
ま:なるほどね。
達:今のダイアモンドホール。雲竜ホール、昔の。あそこで、ひと月にいっぺん。
ま:けっこうジョイントしてたもんね。
達:してましたね。
ま:同じ時代だったから。
達:あそこの風呂屋に。マネージャーの実家が風呂屋なので。タケちゃんがね、あそこしか泊まるところがないので(笑)
そういうの、ありますね。
まったく同世代ですからね。歳はいっこ下ですから。
ま:でもほんとに、何だろうなぁ、とっくんの声があってのセンチのサウンドっていう感じがあったよね。
達:一番特徴があったからね。最近は一人で全国をまわっておりましてですね。
ま:私が最後にセンチとレコーディングしたのは、2019年に出した「ターンテーブル」の中に入ってる「Tequila Sunrise」
あれが、たぶん彼らとの最後のレコーディングだったと思います。
達:私、詩書いたことありますからね。センチに。
ま:そうだっけ?何の曲?
達:「ゴーイング・バック」というシングル。
ま:あ~覚えてる、覚えてる。
センチの周年コンサートでいっしょに出たことがあったね。
達:僕、だってセンチのデビューライブ、ゲストで「ダウンタウン」歌ったもん。
ま:そうだったんだ。思い出がいっぱいあるね。なんか残念ですね。とても。
じゃあ私のたってのリクエストで、センチの「シティ・マジック」というアルバムから。
達:77年の。
ま:よく一緒に歌ったこの曲を聴いて下さい。

雨はいつか / センチメンタル・シティー・ロマンス

 

達:センチは、僕の方が古いんで。何度も何度もいっしょにやってますし。
あとレコーディングも。
竹内まりやさんのヤツだと「シンクロニシティ」でアコギ弾いてますし。
ま:PVも出てもらってますし。
達:「人生の扉」でもギター弾いてますし。
あとはコーラスもずいぶんやってもらいましたね。
ま:「ナタリー」とかもね。
達:そうですね。ソロになってから「バラエティ」の「ONE NIGHT STAND」とかですね、たくさんやってますね。
ま:やっぱり、あのコーラスとペダル・スティールとか、そういう西海岸サウンドが欲しい時はセンチなしには、私の中では成り立ってないので。
達:とにかくですね、コーラス一つにしましてもですね。ぜんぜん統制がとれてないという(笑)
ま:おもしろかったよね(笑)
達:中野督夫、告井延隆、細井豊、野口明彦。
この4人でですね、だいたい前の3人でコーラスやるんだけど、「ここは、こうだ」「あれはこうだ」って、いい加減にしろお前らって。統制がとれないという(笑)
ま:名古屋弁でやりあうんだよね(笑)
達:何回も見ました、そういうのは(笑)

 

達:こっちも年取ってきてるので、訃報が相次いで。
私の関係ですと、一番大きかったのは土岐英史さんが亡くなりまして。
ま:土岐さんは、もう30年くらいずっとツアーメンバーだったからね。私もお世話になりました。
達:実のところ、あんまり話ししないんです、僕。
ま:ほお。ツアー行っても、スタッフとお酒飲みにどっか行ったりとか。
達:いわゆるジャズ屋なのでね、彼は。だから、愛想よくないし。
ま:愛想よくないわけでもなかったよ(笑)
達:女の人には愛想いい(笑)
ジャズハウスとかライブハウスっていうか、そういうとこにいつも行ってたから。
そういうところでも、あんまり話らしい話はね。
ま:土岐さんはスタイリッシュな人なので。私は、ツアーで選ぶ衣装が、ごいいいなぁって思ってね。その話はよくしたんですよね。
達:それはね、奥さんが。
ま:選んでいらっしゃる。
お嬢さんは、土岐麻子さんっていうミュージシャンの方ですし。
ほんとに土岐さんとも思い出があります。
達:末っ子なんだよね。
ま:そうなの?
達:だから甘えっぽい。
ま:でもね神戸生まれだと聞いているんだけど、土岐さんが関西弁しゃべってるところ、一度も聞いたことなかった。
達:でもジャズ屋なので、月の20日くらいは全国まわってやるから。だからローカリティがないですよ。
ま:関西人っていう感じもなかったもんね。
達:若い時から東京きてるから。
ま:でも私のライブでは、彼の吹くサックス、「駅」とかね、すごい思い出深いソロもあるので。
このライブバージョンの「駅」をぜひ聴いていただきたいと思います。

駅 / 竹内まりや

 

達:山下達郎お送りいたしておりますサンデーソングブック
毎年恒例、竹内まりやさんゲストに「納涼夫婦放談」パート1でございます。
来週も引き続きパート2をお送りしますが、スケジュールの都合でですね、前倒しで録っております。
来週は前倒しで録りますので、お便り頂きましてもお応えできませんので(笑)すいません。
だいたい、こんなに山のようにお便り頂いているのに、ほとんど。。。
ま:でも、全部目を通しています。
すごく面白いのがあるんですけど、紹介しきれないのがもどかしい。
達:納涼夫婦放談ですので、何かプレゼントという、あんまりたいしたものじゃないんですけど。
ま:いや、たいしたもんだよ、これ。いいと思う。
ねぇほら、さやかちゃんも言ってるじゃん。
達:サンデーソングブック1500回を記念してですね、作りました。番組オリジナルのレコードバッチ。
ま:かわいいよ、これ。
達:そうですか?胸元やバッグのワンポイントとして付けられるバッチですって書いてある(笑)これをですね、150名の方にプレゼントいたします。
ま:私からもプレゼントがあります。
「Souvenir 2021」ほんとうだったら、やってたはずのツアーグッズのですね、ポーチを20名の方にプレゼントしますので、同様にお送りください。よろしくお願いします。

 

達:というわけで、うちのオフィスのスマイルカンパニーにですねeillちゃんという若いシンガーソングライターの方がいらっしゃいます。
ここんとこ、人気急上昇中でございます。
ま:すごい、いい歌声なんですよね。
達:このeillちゃんがですね、本来はオリジナル作品歌ってる方なんですけど、なんと「プラスティック・ラブ」をカバーしてる。
ま:カバーしてくださいました。
これは映画の主題歌になっておりまして、『先生、私の隣に座っていただけませんか?』
黒木華さんと柄本佑さん出演の映画なんですけれど、9月10日からロードショーで。
私これ観たんですけど、すごいおもしろい映画で、これのエンディングテーマになってます。
達:よろしくお願いします。なので、今日はかけてみたいと思います。

プラスティック・ラブ / eill 


ま:いい歌声だよね。
達:新世代ですね。もう孫ですかね(笑)。
ま:え~(笑)
達:(リスナーから)『もともとは涙腺が強い方ではありませんが、50を過ぎ、どんどん弱くなっています。
車や部屋で、一人でまりやさんの歌を歌うのですが、「人生の扉」や「いのちの歌」は歌っていると涙が出てきて、最後まで歌っていられません。
これでは、カラオケで歌うのは無理ですね。どうしたら涙なしで歌いきれるのでしょうか。
まりやさんは、あのような涙が出てくるような詩を、ちゃんと歌いきれるのでしょうか。
作ったときに、すでに涙を出し切ってしまったのでしょうか』
ま:そうかもしれない(笑)
ライブのときは、揺れることがあるんだけど、何度も歌ってそれをクリアして、そして歌うっていう。
レコーディングの時も泣きそうな時もあるんだけど。
ぜったいないでしょ?達郎の場合。
達:ありません。
ま:ないよねえ。
達:女の人は涙もろいですからね。
ま:でもやっぱり、お客さんを前にして歌ったときに、ちょっとグラッとくることは、あるんだけど。レコーディングはさすがにね。
達:しばしば、ありますね。数年前もありましたね。
ま:すいません(笑)できるだけ、何回も歌って平気になっとくっていう。
人の結婚式のときにコメント読まなきゃいけなくて、それすら、私泣いてボロボロになっちゃったから。
もう家で50回くらい練習して本番のときには、泣かないで読む。
達:僕が旅で、その披露宴に出席できないときに、代読してもらったんですよ。
僕のスピーチをね。
ま:そうそうそう。
達:結構自分じゃ名文だと思ったんで。
そしたらもう、読んでるときにボロ泣きしたんで、家で何回もそれをやって、泣かない準備をして(笑)
ま:そう、50回くらいやったら、なんとか本番は大丈夫だった。

 

達:ぜんぜん関係ない話ですけどね。つボイノリオさんの「金太の大冒険」っていう。。。
ま:知ってる。
達:あれは四人囃子がバックなんだけど、もうとにかくワンコーラスで演奏できなくなっちゃう。あまりの。。。
ま:抱腹絶倒だよね。
達:そう。それで一回最後まで歌ってもらって、のたうちまわってレコーディングしたっていう有名な話がね。
ま:笑いも涙も全部出尽くしてからやると、ちゃんと本番が録れるよね。
達:そうです。
だから古い話ですけど、林家三平さんの後ろでアコーディオンを弾いている有名な方は、にこりともしないで、三平さんのネタを。
ま:そうか、笑っちゃうんだ、普通は。
達:そうでしょ?ドリフの大爆笑なんか、わざと笑わせるけど。さんざんっぱら笑って。漫才でもなんでもそうでね。
ま:なるほど。
達:それが極意でしょ。
時間が無くなってきた(笑)それで「人生の扉」かよ。ひどいな(笑)
たくさんリクエストいただきました。

♪ 人生の扉/竹内まりや

達:毎年恒例「納涼夫婦放談」パート1でした。若干しんみりしましたので、来週は明るめにいきたいと思います。
来週はもう8月最後の日曜日です。
ま:早いですね。
達:毎週申し上げていますが、寛容さと冷静さ。生活者同士が助け合って乗り切ってまいりましょう。
竹内まりやさん、来週もよろしくお願いします。
ま:よろしくお願いします。

 

<了>