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【JAZZ新譜】ジャズ・ラテンの実力派トロンボーン奏者によるソウル色強い作品 SOL / DOUG BEAVERS (2021)

ソル / ダグ・ビーバーズ

Sol

Sol

  • Circle 9 Records
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ニューヨークののジャズ/ラテン・シーンきっての実力派トロンボーン奏者、ダグ・ビーバーズ。

エディ・パルミエリの伝説的な楽団=ラ・ペルフェクタのトロンボーン奏者として注目を集め、現在では、アメリカ東海岸随一のラテンオーケストラであるスパニッシュ・ハーレム・オーケストラの中心人物として活躍中だ。

 

リーダーアルバムは、これで3作目(のはずである)。

太陽を意味する『SOL』というタイトルは、パンデミックの中、人々に明るい日差しを与えることを意図したという。

基本は陽気でノリのいいラテン・ジャズなのだが、けっこうソウル、R&Bテイストが滲んでいるのが、特徴と言える。

70年代ソウル的な印象を与える作品もあれば、今風のヒップホップ的な感覚の作品もある。

60年代には、ラテンとソウルやR&Bが融合したブーガルーという音楽が流行したこともあり、特別めずらしいとはいえないのかもしれないが、最近あまり耳にした記憶がないので新鮮。

 

演奏はもちろん素晴らしいが、ヴォーカルもかなりの聴き物だ。

1曲目、タイトルチューンの「Sol」を唄うのは、かのスパニッシュ・ハーレム・オーケストラの歌手でもあるジェレミー・ボッシュ。

かなりポップな曲で、ジャスティン・ティンバーレイクあたりが歌ってもおかしくなさそう。

そのほか複数のヴォーカリストが参加しているようだが、いずれもパワフルでフェロモン十分。

ライブハウスでビール飲みながら聴きたい。

 


<了>

 

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