ライフ・レッスンズ / マーク・キャリ
ニューヨークを拠点に活躍するピアニスト、キーボーディストであるのマーク・キャリーが、2015年から3年間、毎週土曜日に行ってきたハーレム・セッション。
ここでキャリーのレッスンを受けてきた若きミュージシャン、ベーシストのダン・フメリンスキーとドラマーのディエゴ=ホアキン・ラミレスの2人を率いた新たなトリオ作品。
なので、こうしたアルバムタイトルがついているわけだが、私が教えたこと、だけではなく、私が学んできたこと、の意味もあるようだ。
キャリーがかつてツアーメンバーとして薫陶を受けたヴォーカリスト、アビー・リンカーンの曲が2曲入っているし。
ピアノ以外に、ローズやシンセも弾きこなす人で、いわゆるジャズの枠組みから離れ、ネオソウル、ファンクさらにはディープハウスぽいものも、やってしまう。
このアルバムも、冒頭の曲などは、軽やかで洗練されていて聞き心地がよいのだが、後半になると、徐々に深く濃く、思慮深い世界になっていく。
「Phase 2」の重く澱んだシンセなどは、もうディープハウス。
1曲がわりと短いこともあって、キャリーの様々な側面が味わえる作品になっている。
“弟子”の二人はソツのないプレイだが、ややおとなしい感じ。
もっと前へでもよかったのでは、と思う。
Marc Cary - Piano,Keyboards
Diego Joaquin Ramirez - Drums
Dan Chmielinski - Bass
<了>
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