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【JAZZ新譜】日本が誇る稀代のキーボーディストの新作 Neon Chapter / BIGYUKI (2021)

 

Neon Chapter

Neon Chapter

  • アーティスト:BIGYUKI
  • Universal Music
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NHKでBIGYUKIのドキュメンタリーが放映されたのは、2018年春。

決して日本で有名な人ではないけれど、新しめのジャズをチェックしている人には、すでに名が知られはじめていた期待株。NHKはいい人に目をつけるなーと、感心して見た記憶がある。

そのころすでにロバート・グラスパーやマーク・ジュリアナと共演するなど実績を重ねていたが、ドキュメンタリーでの彼は、ニューヨークで夢を追うお兄ちゃんといった風情。

ライヴ後にギャラを受け取り、「おーけっこうある」と嬉しそうにお札を数える姿が印象的だった。


それからも着実に地歩を固め、いまではNYジャズシーンのキーパソンの一人。

そんな彼の4年振りのニュー・アルバムが『Neon Chapter』。

アート・リンゼイ、マーク・ジュリアナらをゲストに迎え、BIGYUKIの才気がアルバム全体に迸っている。


これがジャズかと言われると、返答に困る。

ジャズ、ヒップホップ、ソウル、R&B、さまざまなジャンルのサウンドを切り取り、ミックスし、パッチワークのように仕立て上げている。

演奏はもちろん見事だが、さらに印象的なのは、音の処理だ。

エレクトロなビートを基調にしたさまざまな音のレイヤーの重なり方や残響感が独特で、不思議な酩酊感を味わえる。

これからも相当なことをやらかしてくれそうな、日本が誇る逸材だ。

 


1.Neon Chapter (feat. Arto Lindsay, Yasushi Nakamura, Eric Harland, Craig Hill)
2.Watermelon Juice (feat. Paul Wilson)
3.Tired N Wired (feat. Miho Hatori, Jonathan Mones)
4.OH
5.Let it Go (feat. Rosehardt)
6.MMM
7.Theia (feat. Yasushi Nakamura, Eric Harland, Randy Runyon)
8.LTWRK (feat. Paul Wilson)
9.Duck Sauce (feat. Mark Guiliana)
10.Storm (feat. Topaz Jones, Miho Hatori, Blaque Dynamite)

<了>

 

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