2020年の「第71回NHK紅白歌合戦」で、5回目の出演となったMISIAが大トリを務め、「アイノカタチ」を熱唱した。
11月15日、TBS系「news23」の収録中に乗馬シーンで落馬。
全治6週間のけがを負い、パフォーマンスを心配する声も多かったが、無事に紅白本番を迎え、圧巻の歌声を披露した。
MISIAは紅白出場にあたり、公式サイトで意気込みを語っていた。
私たちの日常が大きく揺らいだ2020年。これまでの当たり前が、当たり前ではなくなったこの1年。
それぞれが、それぞれのアイノカタチを模索して歩んできたこの年の締めくくりに、紅白歌合戦で歌をうたわせていただくこととなりました。
大トリで歌うということを聞いた時は、大役への緊張と共に、間もなく訪れる2021年が皆さんにとって明るい希望に満ち溢れた1年になるよう、
そして皆さんにそう強く感じてもらえるよう、心を込めて歌いたい、そんな想いが溢れ胸がいっぱいになりました。
今年は『アイノカタチ』この一曲に、ありったけの想いを込めて歌いたいと思います。
その「ありったけの想い」が伝わる見事な熱唱だった。
1998年のデビュー以来、MISIAは数多くの良作をリリースしてきたが、私がいちばんに推したいのは、2003年の『星空のライヴ 〜The Best of Acoustic Ballade〜』だ。
このタイトルが内容のほぼすべてを語っているが、2003年に行われた野外ツアー`星空のライヴII`から、バラード曲中心に選曲されている。
演奏はアコースティックな楽器を中心にした、いわゆるアンプラグドな編成だ。
当然、演奏に派手さはなくシンプルなのだが、そのぶん、MISIAの歌声が際立って聞こえる。
実は、ところどころ音程が少し揺れているところもあるのだが、これはこれでライヴならではのもの。
あとから補正しようと思えばいくらでもできるのだが、あえてしなかったところにMISIAとそのチームの、矜持とこだわりを感じる。
演奏も非常にいい。
デジタルな音にはない適度なスキマが、実にオーガニックで心地よいのだ。
どのプレイヤーもそれぞれに達者だが、特にフルートの響きにたびたび耳を奪われる。
もちろん、MISIAの緩急のある歌唱も、見事のひとこと。
J-POPSのアンプラグドライヴとしては、屈指の作品だと思う。
Spotifyなどのサブスクでも聞けるので、未聴の方にはぜひと薦めておきたい。
It's just love (星空のライヴ~The Best of Acoustic Ballade~)
Everything (星空のライヴ~The Best of Acoustic Ballade~)
01.眠れぬ夜は君のせい
02.Escape
03.あの夏のままで
04.めくばせのブルース
05.The Best Of Time
06.It's just love
07.Everything
08.キスして抱きしめて
09.つつみ込むように…
10.心ひとつ
11.時をとめて
12.飛び方を忘れた小さな鳥
13.星の降る丘
映像作品もリリースされている
<了>