おとのほそみち

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マックス・ミドルトン Max Middleton #4 Jeff Beck「Wired」

ジェフ・ベックJeff Beck)との密な関係は「Blow by Blow」 (1975)以降も続き、1976年にリリースされた彼のソロアルバム「Wired」にも、マックス・ミドルトン(Max Middleton)はキーボードプレイヤーとして参加。曲も提供している。


この「Wired」、発表から40年以上を経たいまもジェフの最高傑作と評す声は多く、また、ギターインストゥルメンタルの傑作としての名声も未だ色あせない。

ワイアード(期間生産限定盤)

ワイアード(期間生産限定盤)

  • アーティスト: ジェフ・ベック
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: CD

サウンドはジャズ・フュージョンへの傾倒が明らかだ。これは、ジャズ・フュージョン分野の人気ベーシストStanley Clarkeのアルバム「Journey to Love」 (1975)のレコーディングに参加したことが影響していると思われる。


キーボードのヤン・ハマーJan Hammer)とドラムのナラダ・マイケル・ウォルデンNarada Michael Walden)の存在が大きい。2人ともジャズ・フュージョンプレイヤーとして名を挙げたミュージシャンで、ギタリスト ジョン・マクラフリンJohn McLaughlin)が結成したマハヴィシュヌ・オーケストラ(Mahavishnu Orchestra)に在籍した経験を持つ。


このアルバムのキーボードにおいては、ヤン・ハマーシンセサイザー、マックス・ミドルトンがクラヴィネットフェンダーローズと、それぞれ得意な楽器を担当していたわけだが、全体としてはヤン・ハマーのスペイシーなシンセの存在感が強い。


ジェフ・ベックのファンでもわりと知らない人が多いようなのだが、実はこのアルバムにジェフの自作曲は1曲もない。


1.Led Boots    Max Middleton 
2.Come Dancing  Narada Michael Walden
3.Goodbye Pork Pie Hat   Charles Mingus
4.Head for Backstage Pass Wilbur Bascomb, Andy Clark
5.Blue Wind    Jan Hammer
6.Sophie Narada  Michael Walden
7.Play with Me   Narada Michael Walden
8.Love Is Green  Narada Michael Walden


半数がナラダ・マイケル・ウォルデンの曲。マックス・ミドルトンは1曲目の「Led Boots」を書いている。


この「Wired」をリリースしたあと、ジェフはツアーを行い、そのライブ盤がリリースされた。日本では「ライヴ・ワイヤー」のタイトルで知られるが、原題は「Jeff Beck With the Jan Hammer Group Live」である。看板はジェフではあるが、サウンド的にはヤン・ハマー・グループにジェフが加わったという印象だ。


マックス・ミドルトンは、このツアーには参加しておらず、以後のジェフのソロ・アルバムでも名前を見かけることはなくなった。

 

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