10代でボズ・スキャッグスのワールドツアーに同行し、若き俊英として注目されたマイケル・ランドウ。
20歳でセッション・ミュージシャンとしての活動をスタートさせたところ、その才能を高く買ったスティーヴ・ルカサーが後押しし、ジョニ・ミッチェル、リンゴ・スター、セリーヌ・ディオンなど名だたるアーチストの作品に参加してきた。
要するに、ジャンルを問わずさまざまなフレーズを弾きこなすギター職人である。
彼の2年ぶりのアルバム『Liquid Quartet Live』は、昨年11月に地元ハリウッドにある老舗ライヴハウスBaked Potatoでレコーディングされたライヴ盤だ。
Baked Potatoというとグレッグ・マティソンのライブ盤を思い出すフュージョンファンも多いだろうけれど、2006年にリリースされた、The Michael Landau Groupとしてのライブ盤もBaked Potatoでの収録。
彼にとってホームグラウンドのようなものなのだろう。
他のメンバーは、ドラマーのエイブ・ラボリエル・ジュニア、ベーシストのジミー・ジョンソン、ギター&ヴォーカルのデヴィッド・フレイジー。
エイブはポール・マッカートニーと、ジミーはアラン・ホールズワースとの仕事でも知られる腕利きだ。
デヴィッドとマイケルはかつてBurning Waterというバンドで共に活動していたことがある。
演奏はもう、上手いのなんの。
丁々発止の渡り合いに耳を奪われるが、決して「オレがオレが」ではなく、緩急をつけたパフォーマンスが素晴らしい。
こういうライブでは得てして、誰もが知ってる曲をカバーしたりしがちだが、自身の作品だけに徹している、その姿勢も良い。
マイケル・ランドウのギターはけっこうブルージーで、エッジが立っている感じ。と思えば、スローな曲では繊細なトーンコントロールを聞かせる。
ヴォーカルを迎えたときのジェフ・ベックを思わせ、なかなかスリリングだ。
こうした作品がフィジカルでリリースされるのはうれしいことだが、サブスクでも聞けるので、気になる人はまずそちらでチェックを。
Michael Landau - Can't Walk Away From It Now (Official Audio)
Michael Landau - Can't Buy My Way Home (Official Visualizer)
【収録曲】
01. Can't Buy My Way Home
02. Well Let's Just See
03. Greedy Life
04. Killing Time
05. Bad Friend
06. Can't Walk Away From It Now
07. Renegade Destruction
08. One Tear Away
09. Tunnel 88
10. Dust Bowl
<了>