よほどの好事家でなければ知らないであろうリード・ブラザーズ(Rhead Brothers)の1977年作「Dedicate」。
2014年にCD化されたのだが、現在ではAmazonでは品切れのようだし、Spotifyにもないので、いささか紹介しづらい。
しかしマックス・ミドルトンのピアノが良い、という面からは外せない1枚だ。
Rhead Brothersはその名前の通り、ジョン&スティーヴ兄弟のデュオ。
イギリス人ではあるのだが、音はかなりウエスト・コーストぽい。クロスビー・スティルス&ナッシュやバーズあたりを想起させつつ、AORテイストも感じさせ、たいへん耳あたりがよい。声がやや弱い感じもするが、繊細で美しいともいえる。そのあたりはアル・スチュワートに似た印象もある。
バックにはマックス・ミドルトン(kyd)、リチャード・ベイリー(ds)、ロバート・アーワイ(g)、ボビー・テンチ(perc)ら、ジェフ・ベック~ハミングバードファミリーがずらりと揃う。
どうしてこれほどのメンバーが集められたのかよくわからないし、ファンク色の強かった当時のベック、ハミングバードとは、ややジャンルの異なるサウンドだが、腕利き揃いとあって演奏は見事。
なかでも1曲目の「Woman of Soul」は、出だしに20秒以上パーカッションが鳴り、ちょっと意表を突かれるがマックス・ミドルトンのピアノがすべりこんできた瞬間、アーバンメロウな世界が広がる。
CDを再発してくれとは言わないけれど、せめてデジタル配信で再リリースして欲しいものである。
#この項おわり