コージー・パウエル(Cozy Powell)は1970~90年代に活躍した、イギリスのハードロックを代表するドラマー。
ジェフ・ベックに見出され、彼のグループに参加したのち、レインボー、マイケル・シェンカー・グループ、ホワイトスネイクなどのメンバーとして活動する一方、数多くのセッションに参加。
卓越したテクニックはもちろん、ルックスやアクションに華があり、スター性のあるプレイヤーだった。
ロックのドラマーがインスト中心のソロアルバムをリリースすることは、そう多くはない。しかし、彼は計5枚のソロを発表している。
その中でも一番世評が高いのが、1979年にリリースされた1stアルバム「Over the Top」だ。

- アーティスト: コージー・パウエル
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2016/05/18
1.Theme One" (George Martin)
2.Killer" (Don Airey)
3.Heidi Goes to Town" (Cozy Powell, Airey)
4.El Sid" (Bernie Marsden)
5.Sweet Poison" (Max Middleton)
6.The Loner" (Dedicated to Jeff Beck) (Middleton)
7.Over the Top" (Airey, Powell, Pyotr Tchaikovsky)
Cozy Powell – drums
Gary Moore – guitar (track 2)
Clem Clempson – guitar (tracks 5, 6)
Bernie Marsden – guitar (track 4)
Jack Bruce – bass guitar
Don Airey – keyboards (except track 6)
Max Middleton – keyboards (track 6)
サウンド的にはハードロックに少しフュージョンのエッセンスを加えた感じ。
同じジェフ・ベック・グループのメンバーだった縁もあってか、ここにマックス・ミドルトンが参加している。
アルバム全体としては、キーボードの中心はドン・エイリー。のちにレインボーやディープ・パープルなどに参加する腕利きだ。
マックス・ミドルトンはアルバムに2曲提供し、うち1曲でソロを聴かせている。
それが「The Loner(Dedicated to Jeff Beck)」だ。
サブ・タイトル通り、ジェフ・ベックを想定して書かれた曲で、ジェフがゲスト参加する話もあったらしいが、実現しなかった。しかし、コロシアムやハンブル・パイにも参加したクレム・クレムソンのギターは素晴らしい出来で、のちにゲイリー・ムーアもカバーしている。ギター弾きの琴線に触れる曲なのだろう。
なお、コージー・パウエルは1998年に50歳の若さで他界した。
死因は交通事故なのだが、自分のクルマを酩酊状態でシートベルトをつけず、しかもガールフレンドと携帯で話しながら運転。時速167kmで中央分離帯に激突したとされる。
#この項おわり