MONKEY HOUSEという名前からはバンドかユニットを思い浮かべるが、実際はドン・ブライトハウプト(Don Breithaupt)のワンマンプロジェクトである。
彼はカナダ在住のソングライターにしてキーボード奏者/サウンド・クリエイター/プロデューサーなのだが、評論家/ライターとしても活躍しており、「スティーリー・ダン aja 作曲術と作詞法」という著作まで上梓しているという、筋金入のスティーリー・ダン フリークである。
アルバムデビューは1992年の「WELCOME TO THE CLUB」で、ここで紹介する「HEADQUARTERS」は、オリジナルアルバムとしては3枚目(編集盤を入れれば4枚目)になる。
その音は、ご本家やドナルド・フェイゲンのソロそっくり。
ヴォーカルがフェイゲンでも違和感のないほどの完成度で、曲もアレンジもよく練り込まれている。
演奏も生音を活かしたアンサンブルで、奥行きのあるグルーブが心地よい。
ほとんどがカナダのスタジオミュージシャンによるものだそうだが、なんとスティーリー・ダン・ファミリーのマイケル・レオンハート(Michael Leonhart)<tr>とドリュー・ジング(Drew Zingg)<g>が参加している。
マイケル・レオンハートはスティーリー・ダンの「Two Against Nature」(2000)のレコーディングメンバーだし、ドリュー・ジングは「Alive in America」(1995)で何曲かソロを弾いている腕利きだ。
スティーリー・ダン・フォロワーを語るうえで、絶対に欠かすことのできない1枚である。
#この項おわり