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【AOR】スティーリー・ダンのフォロワーたち #3 MONKEY HOUSE「LEFT」(2016)

2012年リリースの前作「HEADQUARTERS」で、スティーリー・ダンフリークの度肝を抜いたMONKEY HOUSE。

続く2016年のアルバム「LEFT」も期待通りの、というか、期待を上回る出来栄えだ。

レフト

レフト

  • アーティスト: モンキー・ハウス
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2016/05/25
  • メディア: CD

 

メロディはより表情豊かになり、アレンジも洗練度を増した。特にホーンがいい。
スティーリー・ダンの後期やドナルド・フェイゲンのソロを思わせるようなフレーズが、随所に顔を出す。

前作でも、トランペットのマイケル・レオンハート(Michael Leonhart)とギターのドリュー・ジング(Drew Zingg)というスティーリー・ダンファミリーのミュージシャンが参加していたが、今回は、なななな、なんとギターにジェイ・グレイドン(Jay Graydon)が参加しているのだ。

1977年の「Aja」に収められた「Peg」のギターソロで一躍その名を轟かせ、のちにエアプレイなどでも成功を収めたAOR界のキーパーソンである。

これだけでも驚きだが、さらにギターにエリオット・ランドール(Elliott Randall)の名前もある。スティーリー・ダンの「Can't Buy a Thrill」(1972)収録の「Kings」「Reelin in the Years」でのリードギターほか、いくつも作品に参加している職人肌のギタリスト。

「Reelin in the Years」のソロは、かのジミー・ペイジが絶賛したほどである。

そんな名プレイヤーたちを集めた成果もあってか、このアルバムはそこそこのヒットになった。
米Billboardのジャズチャートでは最高位24位。米iTunesのジャズチャートでは9位を記録している。

 

 「Good To Live」でグレイドンのソロが聴ける。曲も共作。

 

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#この項おわり