2012年リリースの前作「HEADQUARTERS」で、スティーリー・ダンフリークの度肝を抜いたMONKEY HOUSE。
続く2016年のアルバム「LEFT」も期待通りの、というか、期待を上回る出来栄えだ。
メロディはより表情豊かになり、アレンジも洗練度を増した。特にホーンがいい。
スティーリー・ダンの後期やドナルド・フェイゲンのソロを思わせるようなフレーズが、随所に顔を出す。
前作でも、トランペットのマイケル・レオンハート(Michael Leonhart)とギターのドリュー・ジング(Drew Zingg)というスティーリー・ダンファミリーのミュージシャンが参加していたが、今回は、なななな、なんとギターにジェイ・グレイドン(Jay Graydon)が参加しているのだ。
1977年の「Aja」に収められた「Peg」のギターソロで一躍その名を轟かせ、のちにエアプレイなどでも成功を収めたAOR界のキーパーソンである。
これだけでも驚きだが、さらにギターにエリオット・ランドール(Elliott Randall)の名前もある。スティーリー・ダンの「Can't Buy a Thrill」(1972)収録の「Kings」「Reelin in the Years」でのリードギターほか、いくつも作品に参加している職人肌のギタリスト。
「Reelin in the Years」のソロは、かのジミー・ペイジが絶賛したほどである。
そんな名プレイヤーたちを集めた成果もあってか、このアルバムはそこそこのヒットになった。
米Billboardのジャズチャートでは最高位24位。米iTunesのジャズチャートでは9位を記録している。
「Good To Live」でグレイドンのソロが聴ける。曲も共作。
こちらの記事もどうぞ。
#この項おわり