オーレ・ブールードはノルウェーのハーマル出身。
ゴスペル一家に生まれ、5歳から兄姉とのファミリーバンドで歌い始め、16歳の時にはプロのミュージシャンとして活動していたという。
プログレメタルバンドExtolのメンバーとして北欧では知られた存在だったそうだが、ソロデビュー時のサウンドは、少年時代から親しんでいたというポップロック、AOR色の濃いものとなった。
影響されたアーティストとして、ペイジス、プリンス、クインシー・ジョーンズ、スティーヴィー・ワンダー、スティーリー・ダン、ジノ・ヴァネリ、TOTOあたりの名を上げており、なるほど確かにその影響が伺えるサウンドデザインだ。
とはいえ、2002年リリースのファースト『Chi-Rho』はばハードなポップが基調で、ボン・ジョビやミスター・ビッグをちょっと柔らかくした感じ。
完成度はなかなか高いがAORファンが好むかというと、やや微妙だ。
しかし、2008年のセカンド『SHAKIN' THE GROUND』は、ファンクテイストのAORが満載。
ジャミロクワイ、ペイジズ、ビル・チャンプリンあたりを思わせるサウンドが、日本のAOR愛好家のなかでも注目されはじめた。
このころはファーストはあまり知られておらず、私もそうだが、この『SHAKIN' THE GROUND』で彼を知った人が多いようだ。
翌2009年には日本盤もリリースされたのだが、なんとオリジナルとは曲順が違う。
オリジナルはファンキーな曲からはじまって後半メロウな曲が展開するのだが、日本でのリリース元はAOR路線でセールスしたかったようで、メロウな曲が前半に来ている。
そんなんありか、とも思うが、とにかく完成度は非常に高く、捨て曲ナシ。
Amazonのレビューに「AORのおいしい部分を濃縮」というコメントがあったけれど、まさにそんな印象だ。
このブログのテーマであるスティーリー・ダンのフォロファーぶりでいえば、この曲などは、なかなかのものだ。
彼は以後、2枚のアルバムをリリースしているので、追って紹介したい。
<了>