リンダ・ルイス(Linda Lewis)は、1950年ジャマイカからの移民3世としてロンドンに生まれた女性シンガーで、詞曲も手がける。
5オクターブもの声域を持つと言われ、キュートで耳あたりの良い声としなやかな歌いまわしが特徴。
サウンドはソウル/R&Bをベースにしながら、フォーキーな味わいもある。

FATHOMS DEEP ~ EXPANDED EDITION
- アーティスト: LINDA LEWIS
- 出版社/メーカー: BBR
- 発売日: 2012/03/05
- メディア: CD
ソロデビューは71年で、この「Fathoms Deep」はサード・アルバム。
後年の評価はセカンドの「Lark」の方が高いのだが、このサードもなかなかのもの。
マックス・ミドルトンは、このアルバムの全編にわたってエレピを聴かせている。
リンダの可憐な歌声との相性もよく、特に「On The Stage」のピアノは美しい。
全体に短い曲が多く、ソロも限られているので、いささか欲求不満気味になるが、決し
て弾きすぎないのが彼の味わいでもあるから、これはこれで良しである。
彼以外の参加ミュージシャンも、ベースにはクライヴ・チェアマン(Clive Chaman)、ドラムにコンラッド・イシドア(Conrad Isidore)、ギターにボビー・テンチ(Bobby Tench)と、第2期ジェフ・ベック・グループ~ハミングバードのメンバーがずらりと並ぶ。
リンダ・ルイスもハミングバードのバックコーラスに参加しているから、交流が深かったのかもしれない。
このリンダ・ルイス、70年代は立て続けにアルバムをリリースするが、80年代にはほぼ活動休止状態になる。
90年代のレア・グルーヴ・ブームの中、UKソウルの先駆者として再び注目され、95年に「セカンド・ネイチャー」でカムバックする。
日本では、このアルバムではじめて彼女を知った人も多いはずで、実は私もその一人である。
日本人ベーシストのクマ原田さんが参加していることでも知られる。
マックス・ミドルトンも1曲だけエレピを弾いている。
バッキングに徹していてソロはない。
#この項おわり