おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2023年10月22日『珍盤奇盤特集』

番組中の曲解説の主要な部分を書き起こしています。ネットに音源がある楽曲にはリンクを張っていますが、オンエアされた音源とはヴァージョンが異なる場合が多々あります。

 

1. MEDAKA NO GAKKOH (めだかの学校) / SNUFF  '96
2. ハートを狙い撃ち / 有馬竜之介 '69
3.太陽に抱かれたい / ジョニー広瀬 '67
4. ミミの甘い生活 / 沢久美 '70
5. ミニミニデート(CMスポット) '67~ トンボのメガネ / 山本リンダ '70
6. 逢えば好き好き / マーガレット '68
7. 宇宙旅行の渡り鳥 / 小林旭 '64
8. とんでもナイト・フィーバー / 内藤熱 & オイル・ダラー・スペシャル '78
9. 与作 / 少年探偵団 "恐怖の人間カラオケ" '79
10. タリラリラン・ブルース (青春編) / 信楽潤 '70


10月22日でございますが、ラジオ聴取率、二ヶ月にいっぺんあります。
そのために何回やれと言う、あれでございます。
でも、ライブのラストスパートなので、いろいろと立て込んでおります。
困った時の「珍盤・奇盤」、3年ぶりかな。
昔は毎年やっておりましたけど、だんだんネタがなくなってきて。
面白いもので、やっぱり60年代70年代が圧倒的に質量共にあふれておりました。
高度成長期の豊かな余裕のあるところに、そうしたアヴァンギャルドが。
でもオールディーズの番組ですので、それでいいんです。
音はあるんですが、お皿がまだ整理されてない、こういう世界。
お皿探すの大変でございます。
そういうわけで珍盤・奇盤特集で今週はがんばってみたいと思いますが。
40年近くやっておりますので、こうした珍盤・奇盤、絞られてくるんですよね。
もう何10曲、100曲以上やっておりますと、やっぱり本当に何10回聴いても面白いもんって出てくる。
10年ぐらい前に「ベスト・オブ・珍盤・奇盤」っていうのをやりまして、今日もそんな感じです。
特に前半は「ベリー・ベスト・オブ・珍盤・奇盤」
で、そんなの全部聴いたよっていう方のために、サンソンでは初めてやるやつを後半に少し。
抱腹絶倒、お車を運転される方はお気を付けください。
路肩に寄せてお聴きください。


まずは、スナッフ。今日唯一の洋楽曲でございます。
曲は邦楽ですけど演奏してるのは向こうの人です。
スナッフはイギリス。ロンドンのバンド。
ジャンル的にはパンク、メタル、そんな感じですけれども。
この人たちは本当に日本語のカバー大好きで、ありとあらゆる曲を、美空ひばりから童謡まで、色々とやっております。
そんな中の1曲、1996年の作品「メダカの学校」のメタル版でございます。
MEDAKA NO GAKKOH (めだかの学校) / SNUFF


サンソンではおなじみの有馬竜之介さん。
クラウンレコードから1969年にデビューいたしました。
シングルのB面だったんですけど、今ではこちらが圧倒的に有名です。
ハートを狙い撃ち / 有馬竜之介

作詞が水沢圭吾というネームですけど中山大三郎さんのペンネームですね。
作曲が叶弦大さん。後でまた出てきます。その時にご説明します。
演奏しておりますのが津々美洋とオールスターズ。
ギタリストの津々美洋さんをリーダーとしまして、ベースの江藤勲さん、アウトキャストのメンバーだった穂口雄右さん、キャンディーズの一連の作品を全部作っている方ですが。
スタジオ・ミュージシャンの錚々たるメンバーで演奏されております。

 


でこうした珍盤・奇盤は「クラウン・レコード」とそれから遠藤実さんのレーベル「ミノルフォン」、この2つがとどめを指します。
ミノルフォンといえば遠藤実さんで、遠藤実さんといえば珍盤・奇盤の王者でございます。
その中でももう抜き出た最高傑作、1967年、ジョニー広瀬「太陽に抱かれたい」
太陽に抱かれたい / ジョニー広瀬

海の向こうでは「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が出た年に日本ではこれだという、すごい世界。
ジョニー広瀬さんという方は不明ですが。
吉本にマジシャンでそういう方がいらっしゃるんですけども別人らしいという、まだ判明してません。

 


続きましてはクラウン、ミノルフォンに並ぶ珍盤・奇盤のカタログが多いところ「ポリドール・レコード」
そこで1970年に出ました沢久美さん、女優の方ですが、大変に有名なやつです。
作曲されてる信楽潤さんはこういう作品をたくさん出しております。
この方も後でご説明しますけれども。
ミミの甘い生活 / 沢久美

編曲をしております早川博二さん、この方はポリドール専属のトランペッターですけれども作曲、編曲で有名な作品たくさんあります。
編曲で有名なのは菅原洋一さんの「今日でお別れ」とかキングトーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」
作曲もキングトーンズの「暗い港のブルース」とか、「老人と子供のポルカ」左卜全さんですね。
そんな曲がたくさんあります。
真面目な作品もありますが、こういうのもあるというですね。
やっぱりその高度成長、万博の年ですからですね。

 

 

であっという間に5曲目。
で、いつもかけますが、とにかく戦後歌謡の一番超絶さを表しておりますのが遠藤実さんwith山本リンダさん。
1970年の「トンボのメガネ」という作品がありますが、ミノルフォンのコンピに入っていた時に、67年のセカンドシングル「ミニミニデート」のCMスポットが頭にくっついて、そっから「トンボのメガネ」って、どういうあれかっていう。
これやっぱりかけないと珍盤・奇盤にならない。
ミニミニデート(CMスポット)~ トンボのメガネ / 山本リンダ

作詞・作曲、遠藤実
先ほどのジョニー広瀬さんも作詞作曲。
この時代のミノルフォンのレコードって編曲が書いてないんですよ。
ミノルフォン・オーケストラとしか書いてない。
アレンジがでもちゃんとしてるんですよね。コミックソングの組み立てとも違うし。
でもすごく真面目なアレンジとも言えない、という。
あのマリンバの作法とかどうなってる!
遠藤実さん、ご存命だったらうかがいに行きたいのに。

 

 

これも私の大好きなやつ。
1968年の作品。歌っておりますのはマーガレット。
ハーフの女の子ですけれども、寺内タケシさんの後押しでデビューしました。
バックはもちろん寺内タケシとバニーズで演奏は最高なんですけど。
ちょっと走っていくこのボーカルがたまりません。
突き抜けてますね。これね。
逢えば好き好き / マーガレット


これを初めてかけますが、小林旭さん。
小林旭さんは、たくさんあるので何でもいいんですけどですね。
最近手に入れたやつ(笑)
1964年、これもクラウンレコードですが「宇宙旅行の渡り鳥」
オリンピックの直後に出たシングルで、なんでこれなんだっていう。
まだ人間が月に行く前なのに。
大瀧詠一さんが監修している『アキラ』全4枚のうちの1枚。
作曲が先ほどの叶弦大さん。
叶弦大さんは小林旭さんのヒット曲たくさん書いてます。
「自動車ショー歌」それから「昔の名前で出ています」、代表作を書かれております。
作詞が水島哲さん。この方も有名な人です。
西郷輝彦さんのデビュー曲「君だけを」。布施明さんの「霧の摩周湖」、平尾昌さんの「星は何でも知っている」
あとランチャーズの「真冬の帰り道」なんてあります。
この叶弦大、水島哲のコンビ、これも突き抜けてる一作
宇宙旅行の渡り鳥 / 小林旭

小林旭さんで1週間やっても全然大丈夫だっていう感じです。
編曲をなさっているのが重松岩雄さん。
この方「自動車ショー歌」もそうですね。
ということは「自動車ショー歌」は、ニューハードなんでニューハードのバックですかね。
ロックっぽい。ニューハードにしてはロックっぽい演奏です。

 

78年、今日のわりには最近(笑)
これもポリドールの作品ですが、ディスコブームに乗った「内藤熱とオイル・ダラー・スペシャル」
完全な幽霊バンドです。
内藤熱、「熱」と書いて「あつし」だと思いますが。
葡萄畑というグループの青木和義さんという、この方が歌っております。
作編曲、どうろこうじ。しかしてその実態は、馬飼野康二さん。覆面ユニットです。
当時のディスコブーム「サタデー・ナイト・フィーバー」
これに便乗したディスコ歌謡
「とんでもナイト・フィーバー」
とんでもナイト・フィーバー / 内藤熱 & オイル・ダラー・スペシャル


次のやつは、これは私の番組では、すっかりおなじみですが「少年探偵団」
劇団の人たちがですね政治ネタをレコーディングしたという。
ソニーから1979年に出ました。6曲入りシングル
しょっちゅう、かけましたけど。
今日は、これいってみましょう。
「恐怖の人間カラオケ」というタイトルがついていますが。
与作 / 少年探偵団


今日の最後は、先ほどおかけしました沢久美さんの「ミミの甘い生活」、あれを作曲されております信楽潤さん、本名 信楽順三さん。

この方、自分で歌ったレコード、ポリドールから出しております。
1970年 東宝映画の「タリラリラン高校生」という映画の主題歌としてシングル・カットされました。
何とも言えない味が「タリラリランブルース青春編」
2023年版珍盤・奇盤特集、ご清聴ありがとうございました。
タリラリラン・ブルース (青春編) / 信楽潤