おとのほそみち Jazz and More

行きかふ歌も又旅人也


ダイアナ・ロスの後任としてシュープリームスでリードシンガーを務めたジーン・テレルの唯一のソロアルバム「 I Had To Fall In Love / Jean Terrell (1978)」

 

I HAD TO FALL IN LOV

I HAD TO FALL IN LOV

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ダイアナ・ロスの後任としてシュープリームスでリードシンガーを務めた--

ジーン・テレルが語られるとき、必ずといっていいほど、このフレーズが冠につく。

人気絶頂のグループの、そのリードに抜擢されたのだから、その喜びもプレッシャーも相当のものだったろう。

 

加入したのは1970年で、「Up The Ladder To The Loof」などの大ヒットもあり、活動は順調と思われた。

しかし、シュープリームスの在籍期間は4年弱。
1973年には脱退してしまう。

なんせシュープリームスのリードだったのだから、すぐにでもソロとして活躍できたと思うが、ソロアルバムのリリースは約5年後の1978年。

それがこの「I Had To Fall In Love」である。

 

ボビー・マーティンのアレンジ&プロデュースで、フィラデルフィア録音ではないものの、基本路線はフィリー王道。

演奏はジェームス・ギャドソン、ワー・ワー・ワトソンら、なかなかの顔ぶれ。

柔らかく甘めで、洗練感のあるサウンドで、ジーン・テレルの歌も、際立った特長があるわけではないが、万人受けしそうな心地よい響きがある。

ただ、セールス的は結果を残せず、彼女がリリースしたアルバムは、結局この1枚だけ。

 

どうやら、ジーン・テレルは、かなり厳格な宗教心を持っていて、信仰にそぐわないプロモーションは、一切認めなかったらしい。
それが、セールス不振の一因でもあったのだろう。

さらに、シュープリームス脱退の理由も、信仰に関連してのことらしい。

個人の宗教心は、もちろん尊重されるべきものだが、いちファンの正直な気持ちとしては、もっと音楽活動に力を注いでほしかった、という思いは強い。

 

 

<了>