おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也

西城秀樹さんがカバーしたポール・マッカートニーの曲

 昨年2018年の米Billboardシングル年間1位はドレイクの「ゴッズ・プラン」だった。

2017年はエド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」
2016年はジャスティン・ビーバー「ラヴ・ユアセルフ」

なるほど大ヒット曲が並ぶが、いくら人気絶大なアーチストとはいえ、年間1位を複数回獲得するのは容易ではない。
マイケル・ジャクソンは何度も獲っていそうな印象だが、実は一度もない。

ホイットニー・ヒューストンマライア・キャリービヨンセ、アデル。いずれも一度だけだ。

1980年以降で複数回獲っているのは、
1985年にワム!「ケアレスウイスパー」、1988年にソロの「フェイス」で獲得したジョージ・マイケルだけである。


だが、さらに遡れば三度獲得しているミュージシャンがいる。

ポール・マッカートニーだ。

ビートルズ時代の1964年「抱きしめたい」、1968年「ヘイ・ジュード」。
そしてウイングス時代、1976年の「心のラヴソング」である。

 

邦題は「心の」だが、オリジルナルは「Silly Love Song」で、Sillyは愚かな、間抜けなという意味。

ある評論家に「ポールはバラードしか書けない」と批評されたことに対し、ポールが「馬鹿げたラヴ・ソングの何が悪い?」と切り返した曲とされる。もちろんこれは逆説的な意味で、歌詞では「愛することが愚かなわけはないじゃないか」と歌っているのだ。

それが見事年間1位を獲得したんだから、カッコいいことこの上ない。

軽快なリズムと親しみやすいメロディー。実にポールらしい、というかポールにしか書けない名曲だ。

オリジナルのMVとライブを張り付けておく。


この曲がリリースされた1976年、その年に西城秀樹さんがライブでカバーしている。

どちらかというと甘みのあるポールの声とは違うが、西城さんの歌いまわしにも味があり、ギターの芳野藤丸さんとの掛け合いやハモリはオリジナルにはない部分。

1978年のバレンタインコンサートのライブ盤にも収録されているので、併せて張り付けておく。
この演奏は非常にうまい。弦は華やかだし、ブラスには心地よいキレがある。
これほどゴージャスな演奏を従えてのライブなんて、いまでは珍しいかもしれない。



ポールはここ数年のあいだに何回も来日コンサートを開催しているが、2015年の公演に秀樹さんが行ったのは間違いないようだ。

音楽評論家の湯川れい子さんが「2015年4月にポール・マッカートニーの東京ドーム公演のVIPルームでお目にかかったのが最後」だと追悼のコメントで語っておられる。

 

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