エスケープ・ザ・フレイムス / ビンカー&モーゼス
イギリスはサウス・ロンドンのジャズ・シーンにおいて、フリー・インプロヴィゼイションの旗手と目される、サックス奏者のビンカー・ゴールディングとドラマーのモーゼス・ボイドによるデュオ。
ファーストアルバムは2014年の『Dem Ones』で、これ一回こっきりかと思いきや、2017年には『Journey to the Mountain of Forever』、2018年には『Alive in the East?』と、コンスタントにリリースを続けてきた。
そんな二人が2017年6月にロンドンで行ったパフォーマンスを収録したのが、本作。
デュオをベースにした即興演奏をそのままパッケージするのは、いささか大胆というかシビアな冒険でもあるが、もちろん自信があってのことだろう。
二人とも技の引き出しが豊富で、プレイに瞬発力があり、互いのコンビネーションや緩急も見事。
特にビンカー・ゴールディングスは曲ごとにトーンや演奏のスタイルを変え、飽きさせない。
ライヴの即興ならではの化学反応に息を呑む。
これを目前に観た観客が興奮するのも当然だろう。
<了>
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