ピンク・ドルフィンズ / アンテローパー
電子音の弾幕を、トランペットの即興が切り裂く
アンテローパーは、トランぺッターのジェイミー・ブランチとドラマーのジェイソン・ナザリーによるデュオ・プロジェクト。
二人共、名門ニューイングランド音楽院で共にジャズを学んだ間柄なので、いわば同窓生ユニットである。
初のリーダーアルバム『FLY OR DIE』のリリースが2017年だから、まだ若手といっていいジェイミーだが、テクニック的には何でもやれちゃう人。
パンクやグランジに影響を受けたこともあって、やや尖ったアバンギャルドな音を出すのが、持ち味のひとつだが、本作はそうした色彩が濃いめ。
プロデューサーはジェフ・パーカーで、彼はギターやベース、ミックスも担当しているらしい。
ベースになっているのは、ジェイソン・ナザリーの強靭なバネのあるドラムと、電子音のビート。
いささか不穏な印象のあるシンセの弾幕を、ペットの即興が切り裂いていく。
ときおりエレクトリック・マイルスを思わせる瞬間があることに気づくリスナーも多いだろう。
1.Inia 4:34
2.Delfin Rosado 6:29
3.Earthlings 8:15
4.Baby Bota Halloceanation 3:37
5.One Living Genus 14:49
6.Hideouts(Japan Bonus Track)10:28
<了>
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