中毒性の高いポリリズムにサックスの咆哮が絡む怒涛のライヴ
Natural Information Societyは、2010年にマルチ奏者ジョシュア・エイブラムスによって立ち上げられた音楽集団。
ジャズをベースにさまざまなワールド・ミュージックの伝統から引き出されたポリリズムの即興演奏を持ち味とする。
アルバムはこれが、通算で6枚目になるが、本作はライヴ。
2019年7月9日、ロンドンにあるスペースCafe OTOに、イギリスのフリーインプロビゼーションの巨人、サックス奏者のエヴァン・パーカーを迎えてのものだ。
中毒性の高いポリリズミカルなパターンの上に、エヴァン・パーカーの咆哮の如きサックスが嘶く。
いわゆる循環呼吸で吹いていて途切れることがないので、聞いてる方の息がつまりそうだ。
ジェイソン・ステインのバスクラリネットが絡んでくると、コルトレーンとドルフィーを思い起こすジャズファンも多いだろう。
4つのパートに分かれているが、この分割にさほど大きな意味はなく、やや破滅的ながら祝祭感のある音の群れが、70分以上押し寄せてくる。
耳馴染みのいい音楽では決してないが、心身を覚醒させてくれる演奏であることは確かだ。
1.descension (Out of Our Constrictions) I 17:31
2.descension (Out of Our Constrictions) II 19:35
3.descension (Out of Our Constrictions) III 17:26
4.descension (Out of Our Constrictions) IV 20:11
Joshua Abrams: guimbri
Lisa Alvarado: harmonium & effects
Mikel Patrick Avery: drums
Evan Parker: soprano saxophone
Jason Stein: bass clarinet
<了>
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