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【JAZZ新譜】Isabela / Oded Tzur (2022)

Isabela

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無国籍な音風景、静と動の鮮やかな脈動

イスラエル出身のテナー・サックス奏者オデッド・ツール、ECMから2枚目のアルバム。

ニタイ・ハーシュコヴィッツ(p)、ペトロス・クランパニス(b)、ジョナサン・ブレイク(d)という顔ぶれは、前作『Here Be Dragons』と同じなのだが、演奏はかなり違って、ボキャブラリーが豊富になり、躍動感、スケール感が一気に増した印象だ。

オデッド・ツールはインドの古典音楽を学んだ経験があり、この作品には、インドの旋律構造のシステムであるラーガのメソッドが生かされているそうだ。

しかし、いち素人リスナーに過ぎない私には、どこがどうラーガなのかわからないし、わからなくても十分楽しめる。

そういう専門的な分析や解釈は作編曲家や評論家にまかせたいと思う。

ただ、それでも、欧米のジャズでは聞くことができないフレーズが頻出していることはわかるし、そうした越境性というか無国籍さこそが、ツールの魅力であると思う。

「Noam」「Isabela」などのテーマのメロディは崇高ささえ感じる美しさだが、一方でソロのブロウは咆哮のごとき響きを持つ。

その静と動の脈動を導いているのは、ドラムのジョナサン・ブレイクであり、色彩感を添えているのがピアノのニタイ・ハーシュコヴィッツだと聞こえる。

オデッド・ツールは1984年生まれ。

40歳を前にして、キャリアの代表作となりうる作品を仕上げた印象だ。

 

1. Invocations
2. Noam
3. The Lion Turtle
4. Isabela
5. Love Song For The Rainy Season

Oded Tzur (ts)
Nitai Hershkovits (p)
Petros Klampanis (b)
Johnathan Blake (ds)

<了>

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