東京をテーマに向井秀徳、SKY-HIを迎えての意欲作
前作の『THE ESSENCE OF SOUL』(2021)は、スタンダードの“My Favorite Things”などを採り上げた、初のジャズ・カヴァー集だった。
そうしたバンドとしての音楽的ルーツを再確認したあとの、約2年半ぶりのオリジナルアルバムは「東京」がコンセプト、とのこと。
高度に洗練されていながら猥雑さもあり、
オトナの街もあればガキだらけの界隈もあり、
国際都市でありながら土着的な側面もある。
その都市としての多様性を、音で示したということなのだろう。
また、メンバーの思い入れやゆかりのある街の地名などがタイトルに盛り込まれていて、ホームタウンへの愛着を示した面もあるようだ。
なるほどモードもあればラテンもあり、ヒップホップテイストもありと、曲調は幅広い。
演奏の決め所を知り尽くした人たちなので、どの曲も心地よい高揚感を味わえる。
特に耳を引くのは、ゲストの向井秀徳とのコラボ曲「ピンクの女 feat. 向井秀徳」、SKY-HIとのコラボ曲「シティオブキメラ feat. SKY-HI」。
いまの東京を語る上で、彼らの言葉が必要だと判断した、その審美眼は正しい。
01 Introduction “LOST IN TOKYO”
02 Meiji-Jingumae ‘Harajuku’
03 City of Chimera feat. SKY-HI
04 Todoroki
05 Valley of The Light
06 Ring Route 7
07 Funky Pongi
08 ピンクの女 feat. 向井秀徳
09 Riverflow
10 Generation Tree
11 King and Condor
12 Lime’s Dream
<了>
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