おとのほそみち

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【JAZZ新譜】​Resonance / Megumi Yonezawa (2022)

レゾナンス / 米澤めぐみ

 

NYで活躍中の女性ピアニストがトリオで放つ快作!

米澤めぐみは北海道出身で、バークリー音楽院卒。現在ニューヨークで活躍中のピアニスト。

本作はピアノトリオ編成での作品で、リーダーアルバムとしては、これが3作目になる。

全10曲のうち、オリジナルが6曲、スタンダードが3曲、コルトレーン作品が1曲。

ジェンダーレスの時代といわれながらも、女性ピアニストというと、ついつい甘めの情感を期待しがち。

たしかに日本にはそういうタイプのピアニストもいるが、世界的にはむしろ稀で、彼女もまた凛として芯のある音を響かせる。

オリジナルは、ワルツありブルースありと幅広く、どれも完成度が高い。

いちばん驚いたのは、コルトレーンの「Countdown」

オリジナルはテンポの速い疾走感ある演奏なのだが、ここでの演奏は超スロー。
え?と思うくらい遅いので、最初はびっくりした。

加えて不協和音を含んでいるので、どこか陰鬱な印象を与えるが、彼女たちが提示したかったのは、まさにこの独特の和音の響きなのだろう。

コルトレーンの解釈として、面白い。

アルバム全体としては、いまどきのコンテンポラリーなジャズで、メリハリがあって音像の明度が高く、ドラム、ベースの緩急も見事で聴き応えがある。

これからも注目しておきたいピアニストだ。

 

Megumi Yonezawa (piano)
Mike McGuirk (bass)
Mark Ferber (drums)

1. Before the Wind 4:34 *
2. The Radiance 6:23 *
3. It's All That Matters 6:11 *
4. Valley In the Deep Sea 3:33 *
5. Lone Winds Blow 8:45 *
6. Countdown 6:38
7. Body and Soul 7:16
8. Everything I Love 7:01
9. Yet Again At Will 8:15 *
10. All Or Nothing At All 9:23
 *composed by M.Yonezawa

<了>

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