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【JAZZ新譜】Absence / Terence Blanchard The E-Collective (2021)

Absence

Absence

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ウェイン・ショーターへオマージュを捧げた秀作

『あの夜、マイアミで』など、映画音楽の作家としても知られるトランペット奏者でコンポーザーのテレンス・ブランチャード。

3年ぶりとなる本アルバムは、Fabian Almazan(p)、Charles Altura(g)、David Ginyard(b)、Oscar Seaton(ds)からなるE-Collectiveに加え、David Balakirshnan(vln)がディレクションを務める弦楽四重奏団Turtle Island Quartetも加わっての作品だ。

ブランチャードや、E-Collectiveのメンバーによるオリジナル曲もあるが、基本的にはウェイン・ショーターへのオマージュ。

「The Elders」(ウェザー・リポート『Mr Gone』収録)、「When It Was Now」(同『ウェザー・リポート’81)』収録)などを採り上げていて、私はこの2曲が特に印象に残った。

いうまでもなくウェザー・リポートは、ジャズ/フュージョン史上に名を残すバンドであって、私も当時聞きまくったものだが、いま聞くと、熱量が多すぎというか、雄弁すぎというか、あれもこれも詰め込みすぎというか、「過剰さ」が耳につくことがある。

しかしここでのカバーはとても洗練度が高く、クールだ。

端正なグルーヴ、繊細なストリングス。

そこに即興が絡んでくるのだが、力まかせの主張ではなく、全体の演奏のなかにうまく溶けていて、テレンスだからという先入観もあるせいだろうが、どこか映画のサントラのような印象を受ける。

優れたコンポーザー、アレンジャー、バンドリーダーである彼のスキルが、存分に発揮された一枚だ。

1. Absence (David Ginyard)
2. The Elders (Wayne Shorter)
3. Fall (Shorter)
4. I Dare You (Intro) (Blanchard)
5. I Dare You (Blanchard)
6. Envisioned Reflections (Intro) (Ginyard)
7. Envisioned Reflections (Ginyard)
8. The Second Wave (David Balakrishnan)
9. When It Was Now (Shorter)
10. Dark Horse (Charles Altura)
11. Diana (Shorter)
12. More Elders (Shorter)

<了>

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