ブラジルのグルーヴ・マスター、エヂ・モッタの2013年作。
日本のAORファン、特にウエストコースト系を愛好する人々を狂喜乱舞させた一枚。
1990年代から活動していたが、日本でも広く知られるようになったのは、この作品からだ。
私とて、あるレコメンドを参考にしてはじめてこのCDを目にしたとき、夜道ではあまり会いたくないような風貌を見て「これホントにAORなのか?このタイトルはジョークじゃないのか?」と訝しんだものだ。
しかし実際に聞いてみると、その声はとことんメロウで爽やか。
サウンドも、スティーリー・ダンを、もうちょっとスウィートにしたかのようで、きわめて洒脱で洗練度が高く、耳馴染みがいい。
ミュージシャンの大半がブラジル現地の人のようだが、スペシャル・ゲストとしてデヴィッド・T・ウォーカーとブルーイが参加しているのにも注目。
「ああこのジェントルなギターはデヴィッド・Tみたいだなぁ」と思って聞いていたら、本人だと知ってびっくりするやら嬉しやら。
スティーリー・ダンのフォロワーと、2010年代のAORを語る上で、絶対に外せない一枚だ。
<了>