チェンジ・イズ・ゴナ・カム / ビル・オコンネル
ビル・オコンネルは、1953年ニューヨーク生まれのジャズピアニスト。
チェット・ベイカーやソニー・ロリンズ、デイヴ・ヴァレンティンらとの共演で知られる。
78年に初リーダー・アルバム『Searching』を発表するが、その後、約15年のブランクを経て、93年にセカンドアルバムをリリース。
これまで10枚以上のリーダーアルバムがある。
基本的にはハードバップの人だが、70年代後半にキューバの伝説的バンドリーダー、モンゴ・サンタマリアに師事しており、ラテンジャズの解釈、演奏にも長けている。
今回のアルバムには「Covid Blues」という曲があり、またアルバムタイトルからしても、近年米国が直面した政治、人種、パンデミックの問題に向き合った作品であることは明らか。
しかし、演奏はというと、ブルース、サンバ、カリプソなど、明るく躍動感のあるものが多い。
こんな時代だからこそポジティブな音楽を、という意思の現れなのだろう。
サックスのCraig Handy、べースのLincoln Goinesも腕利きだが、Steve Jordanのドラムはとりわけ聞きものだ。
このほかのジャズアルバム紹介記事はこちら
<了>