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【JAZZ新譜】プリンスの「ビートに抱かれて」をビッグバンドジャズで Dave Stryker with Bob Mintzer and the WDR Big Band

 

「ビートに抱かれて」の他にも、マーヴィン・ゲイの「トラブル・マン」「ホワッツ・ゴーイン・オン」などをやっていて、これがもう痛快この上ない!

 

アルバムのリーダーは、ニューヨークのギタリスト、デイヴ・ストライカー(Dave Stryker)。

すでに25枚以上のリーダーアルバムをリリースしている辣腕で、近年では往年のポップスの名曲をジャズアレンジでカヴァーする“エイト・トラック”シリーズが注目を集めている人。

そして共演しているのが、これまたニューヨークのサックスプレイヤー、ボブ・ミンツァー(Bob Mintzer)。

イエロージャケッツやGRPオールスタービッグバンドのメンバーとしても活躍しており、作曲家・編曲家としても非常に評価が高い。

 

この二人に、ミンツァーが指揮者を努めているWDR Big Band が加わった。

WDRは=Westdeutschen Rundfunks(西ドイツ放送)の略で、その実力はヨーロッパ随一といわれ、昨年(2019年)には、ピアニスト フレッド・ハーシュとの共演作『Begin Again』が話題になったりした。


そして今回紹介するアルバムのタイトルは『Blue Soul』

その名の通り、かつてのソウルの名曲を取り上げつつ、オリジナルも聞かせている。


サウンドはいうと、はっきりいって古い。

旧態依然ではあるし、懐古趣味といわれれば、その通りだ。

しかし、だからこそここには、古き良き時代のビッグバンドジャズならではの熱気と躍動があふれている。


ここんとこの最先端のジャズというと、例えばロバート・グラスパーに代表されるような、クールで抑制の効いたものが多く、それはそれで魅力的はあるけれども、聞いて血肉が沸き立つことはあまりない。

しかし、このビッグバンドは、音の肉弾戦とでもいうべき迫力で、聞き手の耳と心と身体を、グイグイと揺さぶってくれる。

 

こうした大人数の編成は経済的な面でなかなか維持が難しいらしいし、アフターコロナの時代、コンサート活動には課題もあるだろうけれど、ぜひとも活動を続け、次の世代にバトンをつないで欲しいと思う。

Blue Soul

Blue Soul

 



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<この項おわり>