おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



アメリカiTunesストアーで1位になったジェイソン・イズベル(Jason Isbell)の新作

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今年(2020年)1月に来日したのだけれど、まあ、日本での知名度はぶっちゃけ高くはない。

だが、グラミー賞をすでに4回受賞している。
アメリカでの評価は非常に高いのだ。


ジェイソン・イズベルは41歳のシンガー・ソングライターで、いわゆるルーツ・ミュージックと呼ばれるフォーク、ブルーグラス、カントリー、ブルースなどに根ざした、おおらかで穏やかで深みのある音楽を奏で、歌う人。

2000年代の前半は、オルタナ・カントリー・ロックバンドのドライヴ・バイ・トラッカーズで活動。4枚のアルバムを残す。

2007年にバンドを脱退してからは、マッスルショールズのミュージシャン4人を集めたザ・400ユニットを率いてソロとしての活動をスタート。

2015年にリリースした5枚目のアルバム『Something More Than Free』は全米トップ10にチャートインし、カントリー、フォーク、ロックチャートのすべてで1位を獲得。

翌年のグラミー賞で、ベスト・アメリカーナ・アルバムなど2冠に輝く。

しかしながら、これはインディーズからの発売だったので、日本盤はリリースされず、したがってプロモーションもされなかった。

でも音楽的なクオリティはアメリカで評価されただけあって、当然高く、ニール・ヤング、ジャクソン・ブラウン、ライアン・アダムスあたりの系統を受け継ぐ、深みのある歌とギターは日本の好事家たちをうならせた。

2017年のアルバム『The Nashville Sound』は全米4位。
カントリー、フォーク、ロックチャート、これまた全部1位で、グラミーも受賞。

で、2020年5月に『Reunions』をリリース。早速iTunesで1位になったのだ。

CSNのデヴィッド・クロスビー、ザ・ライヴァル・サンズのジェイ・ブキャナンがコーラスで参加。

今までのアルバムと比べれば、ややロック色が強くなった印象だが、哀愁に満ちた懐の深い歌は、やはり彼ならでは。

コロナ禍で憂鬱になりがちな日々にあって沁みますよ、この声は。

リユニオンズ

リユニオンズ


 

<この項おわり>