おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2023年5月28日『リクエスト特集』

番組中の曲の解説部分を要約して記しています(青字部分は書き起こし)。貼り付けている音源は、オンエアされたヴァージョンとは違うことが多々あります。

 

1. RIDE ON TIME / 山下達郎 '80
2. BOTH ENDS AGAINST THE MIDDLE / JACKIE MOORE '73
3. BITTER HONEY / THE HOLY MACKEREL "THE HOLY MACKEREL" '68
4. I'M HOPELESSLY IN LOVE / THE MODULATIONS '73
5. PUISQUE TU PARS / PETULA CLARK "LES JAMES DEAN" '64
6. MELLOW MELLOW RIGHT ON / LOWRELL '79
7. ハロー・スージィ / 加山雄三 "加山雄三のすべて 第二集" '67
8. 夏への扉 / 山下達郎 

 

おかげさまで、5月に41年ぶりに発売いたしました「FOR YOU」のアナログとカセットご好評いただいておりまして。
限定発売なのに買えないとお叱りいただきまして、追加プレスというのやっております。
6月7日は「RIDE ON TIME」が出ます。
41年ぶりから43年前にさかのぼって参ります。
これから先、どんどんどんどんさかのぼって参ります。
よろしくお願いします、って変ですけど(笑)
ですけど私の1980年のアルバム「RIDE ON TIME」
シングルヒットも出ましたんで、それに乗じてアルバム、オリジナルとしては1,2,3,4,5枚目。
ところがアルバムにシングルバージョンが入ってないっていうですね。
当時の流行なんですけれども。
アルバムバージョンの方を先にお聴きになった方、こっちの方がいいと、そういう方もいらっしゃいます。
好き好きでございます。
6月になりましたら「RIDE ON TIME」でございますので、「FOR YOU」からちょいとさかのぼりまして。
今日はその「FOR YOU」ですが、せっかくですのでシングルバージョンで。
RIDE ON TIME / 山下達郎

 

ジャッキー・ムーアはフロリダ生まれ。サザン・ソウル・シーンの人。
フィラデルフィアでレコーディングした1973年のアルバム『SWEET CHARLIE BABE』からのシングル・カットで「BOTH ENDS AGAINST THE MIDDLE」。全米ソウル・チャート28位。
BOTH ENDS AGAINST THE MIDDLE / JACKIE MOORE


ホリー・マッケラルは、ポールウィリアムスがシンガーソングライターとしてデビューする前に、弟さんとかそういう人たちと作って発売しました。
リチャード・ペリーのプロデュースしたアルバムですが。
この中の一番の目玉曲はロジャー・ニコルスと共作した作品でありまして。
この辺から共作が始まっておりますが、大変評判のあれです。
とにかく昔はアルバムは高くて、なかなか手に入りませんでしたけども、最近はボーナストラック付きのCDで、どなたでもお聴きになることができます。便利な世の中です。
1968年のアルバム「THE HOLY MACKEREL」B面の1曲目。
BITTER HONEY / THE HOLY MACKEREL


最近リクエストが多いのは、モジュレーションズとかソウル・ジェネレーションとか、70年代、80年代のいわゆるカルトもののヴォーカル・グループ。
P-VINEとか70年代、80年代のリイシューの努力が今実ってる感じがする。
モジュレーションズはワシントンD.C.出身のグループだが、昔は資料が全くなく、フィラデルフィアのレコーディングなのでフィラデルフィアのグループだと思われていた。
いろいろと変遷があるが、今日は時間がないのでそれについては語らない。
1975年のアルバム『IT'S ROUGH OUT HERE』に収録されている「I'M HOPELESSLY IN LOVE」は、アルバム発売前の1973年にマイナー・レーベルからシングルが発売されていた。
I'M HOPELESSLY IN LOVE / THE MODULATIONS


『ペトゥラ・クラークで達郎さんの好きな曲をお願いします』というリクエスト。
誰が何と言ってもコレ!
65年のアルバム「Downtown」に入っております「Now That You've Gone」でございます。
これペトゥラ・クラークの自作の曲です。
アメリカでコニー・スティーヴンスがカバーしたりしまして有名な曲ですが、なんといってもトニー・ハッチのアレンジが最高。
これ、もともとフランス語で書かれた曲でありました。
それに、英語の訳詩をつけたという経緯があります。
ペトゥラ・クラークはイギリス人で最初にフランスで人気が出た女性シンガーでありまして。
フランスでの方が先に活動が盛んでありました。
ですのでフランス語バージョンが先に出ました。
こっちを今日はお聴きいただきましょう(笑)、へそ曲がり。
後に「Now That You've Gone」っていうタイトルで英語版が出ますけれども、フランス語のタイトルですと「Puisque Tu Pars」となります。
「あなたが去ってから」という意味だそうです。
このペトゥラ・クラークのこのフランス語バージョンは、80年代は、どんなに探してもフランスモノしかなかったんですが、今CDで、しかもリアル・ステレオで簡単に聴ける、ほんと便利な世の中になりました(笑)、余談です。
PUISQUE TU PARS / PETULA CLARK 


ローレル(ローレル・サイモン)はロスト・ジェネレーションのリード・ヴォーカルだった人で、ソロになって何作かヒットがある。
リクエストは1979年、全米ソウル・チャート32位の「MELLOW MELLOW RIGHT ON」。
MELLOW MELLOW RIGHT ON / LOWRELL 


リクエストは加山雄三さん「ハロー・スージィ」
おそらくハイパー・ランチャーズでセルフ・カヴァーをされまして。
元々は1967年のアルバム「加山雄三のすべて第二集」に入っております。
「夜空を仰いで」とかですね「旅人よ」とか、ヒット曲がありますが、この中に入ってます。
なんでこんな曲書けるんだっていうような才能あふれる2分ちょっとの曲ですけども。
これが白木秀雄さんのアルバムで1回カバーされて。
90年代にハイパー・ランチャーズでカバーされて。
ご本人お気に入りだと思います。加山雄三さん1967年の「ハロー・スージィ」
これ、久しぶりに聴きましたけども、ギターは一人ダビングくさいな、一人多重ですね。
今度ご本人に伺ってみますが、そうすっと「オレは覚えてないよ」って言われそうな(笑)
ハロー・スージィ / 加山雄三


6月7日に「RIE ON TIME」のアナログLPそしてカセットが発売されます。
ちょうど季節がら「夏への扉」折よくリクエストいただきました。
夏への扉 / 山下達郎