おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2022年5月22日『棚からひとつかみ』

番組中の曲の解説部分を要約して記しています。
貼り付けている音源は、オンエアされたものとは違うことが多々あります。

 

1. 夏への扉 / 山下達郎 "ライド・オン・タイム" '80
2. HUSH / JOE SOUTH "GAMES PEOPLE PLAY" '69
3. TWISTIN' THE NIGHT AWAY / SAM COOKE '62
4. DAISY MAE / HAMILTON, JOE FRANK & REYNOLDS '71
5. DIDN'T WANT TO HAVE TO DO IT / THE LOVIN' SPOONFUL '66
6. I SECOND THAT EMOTION / SMOKEY ROBINSON &THE MIRACLES '67
7. I PUT A SPELL ON YOU / CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL '68
8. I MISS YOU / THE DAVE CLARK FIVE '66
9. STAND IN THE LIGHT / 山下達郎 & MELISSA MANCHESTER '96

 

5月22日。
ニューアルバム「SOFTLY」の発売まで、あと一月という。まだ一月もある(笑)
昔だったら、5月7日にアルバムできて25日発売みたいな時代もありましたが、その時代から比べると雲泥の差ですけれど(笑)
毎回申し上げておりますように、今レコード会社は、わりと前々から告知をしてチマチマこまごまと小出しにするという、そういう時代でございます。しょうがない。

で、レコード発売より先行してツアーが始まってますので、目下、ツアーのリハーサル真っ最中でございますので、今日は前倒しで録っております。
ツアーが始まりますと、いつもの定例の収録日じゃない、ちょっと間を縫いながらですね、地方のFM局で収録することもあります。
そうすると、民族大移動になったりします。
民族大移動っても4人しかいませんので、そういうことも、しばしばございます。
そんなことを申し上げながらリハーサルに勤しんでおります。
今日は前倒しですので、お天気のこととか申し上げられません。

5月、いい季節なんですけどね、ぜんぜん表がわからないという。
ブツブツ言っております、あいかわらず。

というわけで、リハーサルですので本日もレギュラー・プログラム『棚からひとつかみ』
山下達郎のレコード棚からアトランダムにお届けを致そうと思ったんですが、けっこうリクエストカードいただいておりますので、今日はリクエストですね、完全に(笑)
「リクエスト+棚つか」ですね。
そういう感じでございます。

5月の末になりましたので、今日は「夏への扉」
リクエストいただいております。
 夏への扉 / 山下達郎


棚を見てたらジョー・サウスが「オレをかけてくれ」と。
ジョー・サウスが本当に大好きで、十代からシュガーベイブを作るときまで、ジョー・サウスをすごく聴いていた時代があった。
ジョー・サウスは作曲家、シンガー、ソングライター、ギタリストとしても有名。
グラミー賞を獲った「GAMES PEOPLE PLAY」という有名な曲もあるが、中でも有名なのはディープ・パープルが1968年にカヴァーした「HUSH」。
ジョー・サウスのヴァージョンは1969年のアルバム『GAMES PEOPLE PLAY』に、セルフカバーが、といってもそのころセルフカバーという言葉はなかったが....収録されている。死ぬほど聞いた曲。
HUSH / JOE SOUTH



サム・クックの1962年のベスト10ヒットで「TWISTIN' THE NIGHT AWAY」。
代表作の一作。
TWISTIN' THE NIGHT AWAY / SAM COOKE 



ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズの渋いところが来た。
1971年、全米41位のスマッシュ・ヒット「DAISY MAE」。
ランバート&ポッターの素晴らしい一曲。
DAISY MAE / HAMILTON, JOE FRANK & REYNOLDS 



以前どなたかにもらったリクエストで番組でオンエアするためにストックしていた曲、ラヴィン・スプーンフルの1966年のセカンド・アルバム『DAYDREAM』に収録されている、ラヴィン・スプーンフルのバラードものでも最高の一曲。
DIDN'T WANT TO HAVE TO DO IT / THE LOVIN' SPOONFUL



JAPANがカヴァーしていた「I SECOND THAT EMOTION」のオリジナルにリクエスト。
オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ。1967年、全米R&BチャートNO.1、全米4位の大ヒット曲。。
ジャパンがそれをカバーしてることを、逆に僕は知らなかった。
今出てるCDがほとんどシングル・バージョンで、音が悪い。
当時のモータウンのシングルは、とにかくラジオ向け、ラジオ向けのミックスなので。
ベースがほとんど聴こえなくて、キックばっかり出てくる。
今日は昔ビクターから出た「スモーキー&ロビンソン作品集」、その80年代に出たCDのステレオバージョンのが一番ましなので、そこからリマスタリングしてお届け。
 I SECOND THAT EMOTION / SMOKEY ROBINSON &THE MIRACLES 



クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの「I PUT A SPELL ON YOU」。
これもスマッシュヒット。大ヒット曲より好きな人が多いのか、狙っているのか。
実はこの曲大好きで一日に何回、何十回も聴いたことがある。
途中のギターのうわーと掻き回すところの美しさがたまらない。
「スージーQ」の大ヒットの後にしてはスマッシュ・ヒットで1968年全米58位だが、素晴らしい演奏、素晴らしい歌。
スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのカヴァー。
 I PUT A SPELL ON YOU / CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL



デイヴ・クラーク・ファイブの1966年のシングル「AT THE SCENE」のカップリングで「I MISS YOU」。
デイヴ・クラーク・ファイブはシングルのB面にいい曲がたくさんあって、これもそう。
I MISS YOU / THE DAVE CLARK FIVE



(リスナーからデュエット相手がメリサ・マンチェスターになった理由について質問)
CMのオファーがきて。誰か女性シンガーと英語の歌を歌ってほしいという、そういうオファーだった。
メリサ・マンチェスターは来日したときに話をしたことがあって。
あと、声の質が自分とあってるんじゃないかと、メリサ・マンチェスターに打診をしたら、快く受けてくれた。
自分で詩を書いてみたいというので、メリサ・マンチェスター作詞、山下達郎作曲でLAへ行って歌入れをした。
アシュフォード&シンプソンみたいな感じで作ってみたいと思い書いたのが「STAND IN THE LIGHT」。
自分と相性がよさそうだという、そうしたプロデューサー的な発想で作った曲。
ベストアルバム「OPUS」に入れられなかったので、なんかの機会に「OPUS 2」かなんか作ったときに入れようかと。
STAND IN THE LIGHT / 山下達郎 & MELISSA MANCHESTER

 

<了>