おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2023年5月21日『リクエスト特集』

番組中の曲の解説部分を要約して記しています(青字部分は書き起こし)。貼り付けている音源は、オンエアされたヴァージョンとは違うことが多々あります。

 

1. 片想い / 山下達郎 "アルチザン" '91
2. PARADISE / CHANGE '81
3. DANCING IN THE MOONLIGHT / KING HARVEST '72
4. WHO'S FOOLIN' WHO / ARTHUR CONLEY '66
5. DON'T TURN AROUND / BLACK IVORY '71
6. MAMA LIKED THE ROSES / ELVIS PRESLEY '70
7. THEME FROM "THE SUMMER PLACE" / THE LETTERMEN "THE HIT SOUNDS OF" '65
8. A GOOD MAN IS HARD TO FIND / BESSIE SMITH '27
9. YOUR EYES / 山下達郎 "フォー・ユー" 


連休中にですね、アルバム『FOR YOU』アナログ盤とカセットが発売されまして。
なんとチャートでベストテンに入ったという(笑)
41年ぶり?ベストテン入ったのは、なんだか最初だとか、そういう記録が好きな人がおっしゃってますけれども。
本当に狐につままれたような。
お買い上げいただいた皆さん、ありがとうございます。

おかげさまで、「FOR YOU」のアルバムで5月は終始して参りましたが、なにせアナログとカセット限定発売でございますので、だいぶ品薄になって参りました(笑)
こちらの番組の方でもネタがなくなってまいりました。
そんな中で5月と言いますとですね、私の「アルチザン」、1991年のアルバムに入っております「片想い」
この季節になると、皆さん狙ってたくさんたくさんリクエスト頂きました
アルバム「アルチザン」から、おなじみ「片思い」
片想い / 山下達郎


チェンジはイタリアとアメリカの合体サウンド。ディスコ・シーンを席巻した。
チェンジのセカンド・アルバム『MIRACLES』からシングル・カットされ、1981年全米ソウル・チャート7位の「PARADISE」。
ディスコシーンではさんざんかけられまくった。
今日はシングル・エディットで。
PARADISE / CHANGE


キング・ハーヴェストはニューヨーク出身の6人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。いわゆるワンヒットワンダー、一発屋。
高校を出て運送屋のバイトをしているとき、とにかくかかりまくって、この曲を聴くと日光街道の大渋滞を思い出すという、生活の対象化としての音楽。
という割には随分メロウな音楽ですが(笑)
1972年の「DANCING IN THE MOONLIGHT」。
DANCING IN THE MOONLIGHT / KING HARVEST 


アーサー・コンレイはサザン・ソウルの代表的なシンガー。
オーティス・レディングに見出されて、メンフィスのスタックスで最初録音をはじめて、1966年にジョティスというオーティス・レディングのプライヴェート・レーベルから出したシングル。
後に1967年のデビュー・アルバム『SWEET SOUL MUSIC』に収録される。
スタックスのリズム・セクションによる素晴らしい演奏。1966年のレコーディング。
WHO'S FOOLIN' WHO / ARTHUR CONLEY 


ブラック・アイボリーはニューヨーク出身の3人組ヴォーカル・グループ。
名曲がたくさんあるが、1971年のアルバム『DON'T TURN AROUND』からのシングル・カットで全米ソウル・チャート38位のタイトル・ソング「DON'T TURN AROUND」。
DON'T TURN AROUND / BLACK IVORY 


先週14日は母の日だった。前倒しなので何もできなかった、一週間遅れで母の日に関わるリクエストに。
エルヴィス・プレスリーの「MAMA LIKED THE ROSES」。
1970年のシングル「THE WONDER OF YOU」のカップリング曲だが、もともとは69年の有名な『ELVIS IN MEMPHIS』のアウトテイク。
今はボーナストラックでCDで聞ける。
MAMA LIKED THE ROSES / ELVIS PRESLEY


リクエストは風薫る初夏にふさわしく「Theme From “A Summer Place”」
『達郎さんのおすすめのバージョンがあれば、それをかけていただきたいです。』と。
「Theme From “A Summer Place”夏の日の恋」
59年の同名映画の主題歌でございます。
60年、パーシーフェイスオーケストラの大ヒットソングですが、パーシーフェイス以外で何かかけろって言ったら、これしかありませんね。
レターメン、1965年に全米16位まで上がりました。
THEME FROM "THE SUMMER PLACE" / THE LETTERMEN 


リスナーから
『先日テレビでジャニス・ジョプリンを描いたミュージカルを見ました。
その中でジャニスが、ニーナ・シモン、ベッシー・スミスなどに影響を受けたと話していました。
初めて聞く名前なのでspotifyで聴いてみるとどちらも、とてもいい感じの歌声でした。
達郎さんならもちろんご存知でしょうから、ニーナ・シモン、ベッシー・スミスのおすすめの曲がありましたらリクエストお願いします』
いろんなところから、いろんなリクエストいただきます。
ジャニス・ジョプリンが影響を受けたというあれでしたら、まずはベッシー・スミスですが。
ベッシー・スミスはいわゆるアフリカン・アメリカンのシンガーとして最初に大きな成功を収めた一人であります。
1923年にレコードデビューしてるということは、100年前の歌手であります。
いろんな人に影響を与えました。
ビリー・ホリデイからジャニス・ジョプリンまで。
1957年に交通事故でですね病院に運ばれたんですけども、白人専用の病院に入れてもらえなくて、たらい回しにされて亡くなってしまったという悲劇の人ですが。
ベッシー・スミス、1927年のレコーディング。
当時のチャートで13位というアクションですけど、このころは別にチャート関係ありません。
ブルース然とした「A GOOD MAN IS HARD TO FIND」
昭和2年ですから、日本だと「赤とんぼ」とか、♪この道はいつか来た道~そういう世界です。
もう忘れられかけている、教科書にも載ってないと。
で、ベッシー・スミスのは生きてるという。
なんと言いましょうかですね、文化を保全するという意識の違いかもしれません。
そんなこと、ここで言ってもしょうがない。
A GOOD MAN IS HARD TO FIND / BESSIE SMITH


おかげさまで5月は「FOR YOU」月間でしたけれども、この番組でもう全部かけちゃったので最後の一つ。
「YOUR EYES」、これが残っております。残り物には福がある。
山のようにお便り頂いております。
YOUR EYES / 山下達郎