おとのほそみち

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山下達郎サンデーソングブック2021年10月24日「ベタリク(ベタな曲のリクエスト)」

達郎氏による曲の解説部分を要約して記載しています(青字部分は書き起こし)。ネットに楽曲データがあるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。

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1. RIDE ON TIME / 山下達郎 
2. VENUS / THE SHOCKING BLUE 
3. BUS STOP / THE HOLLIES '66
4. CALIFORNIA DREAMIN' / THE MAMAS & THE PAPAS
5. YESTERDAY / THE BEATLES
6. YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELIN' / THE RIGHTEOUS BROTHERS
7. THE GIRL FROM IPANEMA / STAN GETZ WITH ASTRAD GILBERTO 
8. MY WAY / FRANK SINATRA 


おなじみ、今週は聴取率週間、恐怖の聴取率週間。
毎回、なんかやれという感じですけれども。
ま、あんまり関係ないんですけどね。でも、なんかこう気持ちだけ(笑)「取り組んでる」という姿勢を見せて。
なので、今日はですね久しぶりでございます。
昔は、よくやったんですけど、最近ご無沙汰しておりまして。
「ベタな曲のリクエスト」
ベタな曲、いわゆる大ヒットソング。誰でもご存じのオールディーズソング。
そういうようなものを皆様のリクエストを募りまして、略して「ベタリク」

この私のサンデーソングブックはですね、オールディーズの古い音楽をかける番組ですけれども、わりとマニアックな、あんまり普段は電波に乗らない、そういう曲をかけてる。
だからといって超絶カルトというわけでもありません。
私自身は中級という表現をしておりますけれども、オールディーズ番組としては、そうしたスタンスなんです。

たまに、じゃぁ、そうした大ヒット曲をかけてくれ、と。
思いつきまして始めましたのが、ベタな曲のリクエスト。ベタリクでございます。
人気企画でございます。
今日も、山のようにリクエストカードいただきました(笑)ありがとうございます。
読み切れないで、朝までかかってしましましたけども、でも、一所懸命、選曲してまいりました。
だからといって、20人、30人の方が一曲にリクエストなんて、全くありません。
せいぜい多くて3人の方。だいたい一人一曲という。

それだけ、ポピュラーミュージックの歴史が長くなっておりまして。
あと、僕の番組も29年やっておりますのでリスナーの方の年齢層が幅広くなっておりますので。
年代によってベタ、自分にとっての大ヒットみたいなのが、感触が違いますのでですね、すごく、ばらけます。
リクエスト多すぎで、ばらけますので、1週間じゃ、とても間に合いませんので、いつもの通り、ベタリク2週間、今週・来週、2週間お届けしたいと思います。

本日も最高の選曲と自分で言いきれませんまれども、でも、こんだけの大ヒットソングでも、いい音でお聴きをいただきます。
どんなに「なんだ、こんなんにありふれた曲かけて」って言っても、この音ではラジオでは、なかなかかかりません。
と、自画自賛しつつ。
本日も山下達郎サンデーソングブック「ベタな曲のリクエスト」
私の曲で、一番ベタなのは「クリスマス・イブ」でしょうけども、まだちょっと季節が早いので、次にベタな曲「RIDE ON TIME」
RIDE ON TIME / 山下達郎 

 

オランダのロック・バンド、ショッキング・ブルーの「VENUS」は1970年2月の全米NO.1。ミリオンセラー。
VENUS / THE SHOCKING BLUE 


ホリーズの「BUS STOP」は1966年、全米5位。
私がライヴを見てきた中でベストパフォーマンスがホリーズの来日公演、大手町のサンケイホールだったが、今でも印象に残っている。「BUS STOP」はグレアム・グールドマンの作曲。
BUS STOP / THE HOLLIES


「夢のカリフォルニア」、映画なんかでも使われましたけれども。みなさん、よくご存じだと思いますが。
しかし、CDで聴くとですね、ほとんどすべてステレオ・バージョンでありまして。
あの当時のステレオ・バージョン、楽器が左右に振れておりまして、歌が妙に真ん中に入ってて、聴きづらい。定位がはっきりしない。
なので、今日は当時出たダンヒル・レーベルのオリジナル・シングルでモノラル・バージョン。
これじゃないとほんとの「California Dreamin’」じゃない。という御託をいいつつ。
間奏のフルートはバド・シャンク。
CALIFORNIA DREAMIN' / THE MAMAS & THE PAPAS


ベタリクと言ったらビートルズ。ベタリク以外にビートルズはかけない。
「YESTERDAY」は1965年の全米ナンバー1にしてミリオンセラー。マッカートニーの永遠の傑作。でもたった2分とちょっとしかないという密度。
YESTERDAY / THE BEATLES


ライチャス・ブラザーズの「YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELIN'」は1965年2月の全米ナンバー1。
何故かミリオンセラーではないが、BMIという音楽出版では一番売り上げを上げたシングル。
オリジナルシングルのモノじゃないと、この音圧が出ない。
フィル・スペクターのプロデュースで、バリー・マンとシンシア・ワイルの最高傑作の一作「YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELIN'」、邦題「フラれた気持ち」付けた人は、いいセンス。
YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELIN' / THE RIGHTEOUS BROTHERS


スタン・ゲッツとアストラッド・ジルベルトの「イパネマの娘」にリクエスト。
1964年にシングルリリースされ全米5位。今日はシングルヴァージョンをオンエア。
シングルエディットだけどリアルステレオ・ヴァージョンという割とレアなトラック。
アルバムのオリジナルテイクは5分と長いけれど、冒頭はジョアン・ジルベルトのギターで、それをカットしてアストラッド・ジルベルトの歌を中心にエディットされている。
いろいろと曰く付きの「THE GIRL FROM IPANEMA」。
THE GIRL FROM IPANEMA / STAN GETZ WITH ASTRAD GILBERTO


で、今日の最後ですが、これこそベタリク。
『放送29周年おめでとうございます。毎週拝聴しております。フランク・シナトラ「マイ・ウェイ」』
よくリクエストしてくださいました。
ベタリクの1週目の最後を飾るにふさわしい。
でも、1969年、全米では27位、スマッシュ・ヒットなんですけど、」ジワジワとですねスタンダード化した、フランク・シナトラの、やっぱり人生の、味わい尽くした歌声、そういう感じでございます。
もともとはフレンチ・ポップスのクロード・フランソワの作品にポールアンカが英語の詩をつけました。
それをフランク・シナトラが歌って、今日の「マイ・ウェイ」に。
日本のおじさんサラリーマンの愛唱歌でございます。
カラオケ屋で、みんな「マイ・ウェイ」を歌っているという。
ベタリクならでは。
でも演奏がウェストコーストですから、ちゃんとした演奏になります。
フランク・シナトラ「マイ・ウェイ」」でベタリク Part 1はお開き。
次週のPart 2をお楽しみに。
MY WAY / FRANK SINATRA


<了>