おとのほそみち

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山下達郎サンデーソングブック 2021年3月7日『ひなまつりガール・シンガー、ガール・グループ、ウォール・オブ・サウンドしばりで棚からひとつかみ』

達郎氏による曲の解説部分を要約して記載しています(青字部分は書き起こし)。ネットに楽曲データがあるものは張り付けていますが、オンエアされた音源とは異なる場合が多々あります。

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1. 本気でオンリー・ユー (LET'S GET MARRIED) / 竹内まりや "ヴァラエティー" "エクスプレッションズ" '84
2. MY ONE AND ONLY, JIMMY BOY / THE GIRLFRIENDS '63
3. IF YOU LOVE ME (REALLY LOVE ME) / JACKIE TRENT '64
4. I STILL LOVE HIM / THE JOYS '64
5. IF YOU'RE GONNA LOVE ME / CHI CHI '66
6. BABY THAT'S ME / THE CAKE '67
7. HE NOTICED ME / PRISCILLA PARIS "PRISCILLA SINGS HERSELF" '67
8. MY BOY / THE JODELLES '83
9. 真冬のデイト / 竹内まりや "ターンテーブル" '95('20)

 

サンデーソングブックのリスナーの方にはおなじみの『ひなまつりガール・シンガー、ガール・グループ特集』
最近では、こうした音もマニアのみなさんの中ではおなじみのサウンドでありますけれども。
先日、フィル・スペクターが亡くなりまして、ウォール・オブ・サウンドの特集をしましたので、それの延長で、今年のガール・シンガー、ガール・グループ特集はウォール・オブ・サウンド縛り。
そういうやつで始めたんですけど、正直言って少し後悔しておりましてですね。
何て言いましょうかイケイケの曲ばっかりに(笑)
ガール・シンガー、ガール・グループ特集というよりは、音圧で棚つかと言いましょうかですね。
もう、うわぁ~て曲ばっかりですね。
ですので、ちょっと後悔ですけれども。
でも、現代的な視点からみてですね、鑑賞に堪える曲というのを選びますと、そういうことになってしまいますので。
私も昔から、そうしたこう厚い音、エコーのたくさん入った音、大好きであこがれてきました。
ですので、そういうサウンドを昔からいくつも作ってまいりました。
竹内まりやさんのアルバムも、そうした音作りも、ずいぶんしてきました。
今日もそんな中から1984年、アルバム「バラエティ」に入っております。

本気でオンリー・ユー (LET'S GET MARRIED) / 竹内まりや



MY ONE AND ONLY, JIMMY BOY / THE GIRLFRIENDS

1963年、全米49位の「MY ONE AND ONLY JIMMY BOY」。
ザ・ガールフレンズはいわゆるワン・ヒット・ワンダーで、その実態はブロッサムズ。
ウエスト・コーストのスタジオ・グループで、中ではダーレン・ラヴが有名。
だがこのレコーディングにはダーレン・ラヴは入っておらず、リード・ヴォーカルはキャロリン・ウィルス。この人はのちにハニーコンというR&Bグループに参加。
作詞作曲はデヴィッド・ゲイツで、おそらくプロデュースも。

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IF YOU LOVE ME (REALLY LOVE ME) / JACKIE TRENT

続いてはイギリス。
ジャッキー・トレントの初期のシングルで1964年の「IF YOU LOVE ME (REALLY LOVE ME)」。
このとき彼女は24歳。
エディット・ピアフの「愛の讃歌」をウォール・オブ・サウンドでやっている。これはトニー・ハッチのセンス。

 

 

I STILL LOVE HIM / THE JOYS

1964年にヴァリアントから出たシングル。
ザ・ジョイズという名義だが、歌っているのはロビン・ワード、本名はジャッキー・ワード。
アレンジは、ペリー・ボトキン・ジュニア(Perry Botkin Jr.)で達郎氏が大好きなアレンジャーだそうだが、先日亡くなった。(2021年1月、87歳で永眠)

 

 

IF YOU'RE GONNA LOVE ME / CHI CHI

続いてはアメリカの東海岸だが、歌っているチチについては何もわからない。
プロデュースはリッチー・ロームという、フィラデルフィアのプロデューサー、ソングライター、アレンジャー。リリースは1966年。

 

BABY THAT'S ME / THE CAKE

ザ・ケークはニューヨーク出身の白人女性ヴォーカル・グループ。
1967年リリースのこのシングルは、作曲がジャック・ニッチェとジャッキー・デシャノン。
アレンジはニューオリンズのハロルド・バティステ。
フィル・スペクターが愛用していたスタジオ、ゴールド・スターのエンジニアであるスタン・ロスが手掛けていて、もろスペクター・クローン。


HE NOTICED ME / PRISCILLA PARIS

プリシラ・パリスはパリス・シスターズのリード・ヴォーカル。
1967年のソロ・ファースト・アルバム『PRISHILLA SINGS HERSELF』から「HE NOTICED ME」。
このアルバムは自分で作詞作曲をした作品で、いい出来だったが全然売れなかった。
当時交際していた、西海岸で有名なギタリストでアレンジャーのドン・ピークの全面協力によって制作された。

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MY BOY / THE JODELLES

いきなり1980年代に飛ぶ。
2003年の新春放談でかけた曲。
ジョデルスはイギリスの黒人3人組ヴォーカル・グループで、ビリー・オーシャンのバックなどをしていた。1983年のシングル「MY BOY」は全く売れなかったが、作曲、プロデュースは達郎氏の好きなケニー・ゴールド。
「君は天然色」に非常に近い出来で、番組でかけたときに大瀧さんが喜んだとのこと。


今日の最後は、竹内まりや。
冒頭の「LET'S GET MARRIED」もそうだが、この曲も達郎氏一人で全部演奏した曲。
こうしたウォール・オブ・サウンドとかやる時はですね、一人でドラムたたくのが趣味で道楽、とのこと。
さっきのJodellesと同じで、ノスタルジアというか、オマージュというか、そんなような感じ。
95年のシングル「今夜はHearty Party」のカップリングに入っているが、もともとは1985年のアイドルシンガー森下恵理に提供した曲のセルフカバー。

真冬のデイト / 竹内まりや


<了>