おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



西城秀樹さんがカヴァーしたロイ・オービソンの曲「プリティ・ウーマン」

11月24日に『BIG GAME'82 HIDEKI SUMMER in OHMUTA』がリリースされた。

リリース元によれば、これは
「保管倉庫の中の資料の中から奇跡的に1982年8月に福岡県大牟田市で行われたコンサート「BIG GAME '82 HIDEKI in OHMUTA」の音源が発見され復刻企画の中の1作品として初商品化」とのこと。

まさに奇跡のリリースだ。


まず、収録曲一覧は以下のとおり

 タイムアゲイン
 ライ・ダウン
 ゲット・アップ!
 プリティウーマン
 オールド・アンド・ワイズ
 エボニー・アンド・アイボリー
 スウィート・ヒッチハイカー
 ナイト・ゲーム(Night Games)
 ウィズアウト・ユー
 ラブ・アイランド
 ラブランド・アイランド
 ひき潮のように
 カサブランカ
 聖・少女
 恋の暴走
 センチメンタル・ガール
 君よ抱かれて熱くなれ
 傷だらけのローラ
 アイ・シャル・ビー・リリースド
 ゲット・アップ
 スウィート・ヒッチハイカー
 メニー・リバース・トゥ・クロス


4曲目にある「プリティ・ウーマン」(原題:Oh, Pretty Woman)は1964年、ロイ・オービソンの曲。

全米1位を獲得した大ヒット曲だ。


ロイ・オービソンは十分な成功を収めた人だが、一方でたいへん浮き沈みの激しかったアーティストだ。

山下達郎さんのサンデーソングブックでかつて詳しい特集をしており、このブログに書き起こしているので、興味のある方は読んでみてほしい。(全2回)

山下達郎サンデーソングブック 2月17日「ロイ・オービソン特集1」書き起こし - おとのほそみち

山下達郎サンデーソングブック 2月24日「ロイ・オービソン特集2」 - おとのほそみち

 

この曲は1990年、映画「プリティ・ウーマン」の主題曲となりリバイバルヒットした。

日本で広く知れるようになったのは、実はこのときからである。

 

ではなぜ、秀樹さんはこの曲を「1982年」にカヴァーしたのか??

実はこの曲、ヴァン・ヘイレンが1982年にカヴァーしていて、アルバム『ダイヴァー・ダウン』からの先行シングルとしてリリースされ、全米12位を記録している。

 


おそらく秀樹さんは、1964年のオリジナルではなく、このヴァン・ヘイレンにインスパイアされたのではないか。だから1982年なのである。

こちらの動画は82年の香港でステージらしいが、ギターのリフなどは、やはりヴァン・ヘイレンの影響がうかがえる。

 

 

早速その年のコンサートで採用しているのだから、カヴァーに対する秀樹さんのこの嗅覚というかセンスの良さはさすがというほかない。

ロイ・オービソンもエドワード・ヴァン・ヘイレンも秀樹さんも、すでに天に旅立っているのは悲しい限りだが、良い曲は残る、その代表とも思える名曲である。

 

『BIG GAME'82 HIDEKI SUMMER in OHMUTA』のセットリストはなかなか興味深い。

他の曲についても、いずれ記してみたい。

 

<了>