「スティーリー・ダンぽさ」において、かなり高いレベルにあるスウェーデンの男性デュオ。
フルアルバムは残念ながら2008年リリースのこの作品だけしかない。
学校の同級生だったジョセフ・メリンとサミュエル・アンドレ(ともに1987年生まれ)の2人によって2006年に結成。
翌2007年にデビューEP『Scandinavian Bus Mentality』をリリース。
ギター、ベース、キーボード、ヴォーカルをこなすジョセフと、ドラム、パーカッション、ヴォーカルをこなすサミュエルの2人を中心に、ホーンやコーラスを加えている。
若いのに打ち込みに頼らず、生のバンドサウンドで勝負しているところがいい。
スティーリー・ダンは、2人の共通のフェイヴァリットであり、大きな影響を受けているらしい。
特にスティーリー・ダンの中期、『Gaucho』あたりを思わせるサウンドが印象的だ。
きわめて質の高いシティポップながら、少しハウスぽさを覗かせるのも世代ゆえか。
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このアルバム以降、デュオ活動の情報はないが、ジョセフ・メリンは2011年にソロアルバム『Prepare For Y2K』を出している。
残念ながらAmazonでの取扱はないが、シングルカットされた曲の音源がYouTubeにあった。
その後、ソロアーチストとしてのアルバムリリースはないものの、作家として曲提供は行っているようだ。
調べてみたら、なんとジャニーズの作品も手がけていた。
例えば、嵐が2017年4月にリリースしたシングル「I'll be there」のカップリング「Round and Round」、同じく2018年10月リリースのカップリング「White On White」の作曲・編曲にジョセフの名がある。
そのほか、ジャニーズWEST、A.B.C-Z、Kis-My-Ft2などにも曲提供している。
提供といっても、彼に依頼しているのではなく、おそらくはストック作品の中から選んでの契約だと思う。
ジャニーズがスウェーデンの作家を積極的に活かしているのは、ファンにはよく知られた話。
今後、ジョセフ・メリンのジャニーズ作品からビッグヒットが生まれるかもしれない。
<了>