チャイナ・クライシス(China Crisis)は1979年に結成された、イギリスのポップ・ロックバンド。ボーカル&キーボードのゲイリー・ダリーとギターのエディ・ランドンの2人が中心メンバーである。
82年にヴァージンレコードからファーストアルバムをリリースし、全英21位を記録。
セカンド、サードもイギリスではヒットしたが、アメリカではたいした記録は残しておらず、日本でもあまり人気はなかった。
当時は同じくヴァージンのカルチャークラブが大人気で、「カーマは気まぐれ」が日本でも大ヒットした。
キャラ的にも際立っていた彼らと比べるとさすがに分が悪いが、イギリスでは一定の成功を収めただけあって、今聞いても曲づくりのセンスはなかなかのものだ。
ファースト、セカンドはいわゆるシンセ・ポップ、エレクトロ・ポップなのだが、1985年にリリースしたサードアルバムの「Flaunt the Imperfection(邦題:未完成)」で、一気にAOR色を強める。
なんとプロデューサーにスティーリー・ダンのウォルター・ベッカーを迎えたのだ。
チャイナ・クライシスはかねてスティーリー・ダンのファンだったらしく、念願かなってのようだ。
英語版wikiのアルバム解説には、このときウォルター・ベッカーはチャイナ・クライシスのオフィシャルメンバーだったと書いてある。
アドバイザー的な立ち位置ではなく、かなり深くかかわったようだ。
アルバムは全体に地味と言えば地味で際立ってキャッチーな曲はないが、穏やかで耳あたりのいい曲が並んでおり、やはり随所にウォルター・ベッカーのセンスが垣間見える。
この「Bigger the Punch I'm Feeling」あたりは、けっこう本家ぽい感じだ。
このアルバムは全英9位となり、彼らのアルバムの中では一番のヒットとなった。
#この項おわり